壮快な演奏で、非常に素晴らしい!!
楽譜とは、まさに!タイムカプセルという事を実感!
ヴィヴァルディは、自分の死後278年後の未来に
自分の音楽が聴かれると想像してたか!
そして、ファーイーストの日本で、曲が聴かれて
感動している人間がいると想像しただろうか!
さて、このCD。
まるで、時には優しく、時には激しく吹く春風のような、清々しい演奏だ!
サウンドも、残響音がけっこうあるのだが、けっして楽器の音を邪魔せず
アンサンブルがちゃんと聞こえる、音響的センスの良さを感じる上質なリバーブだ!
1曲目の冒頭から、不意打ちをくらった!
エレキギターの早弾きが好きな私にとって
カルミニョーラのバイオリンの絶頂テクニックに圧倒されてしまった!
まるで、バイオリン界のデラ・ヴェガか!
(注:デラ・ヴェガはハードロック・ギター界で現時点で世界最速のスピード・ギター・プレイヤーだ!)
そして、ヴェニス・バロック・オーケストラの何ともキラビやかな音!
小編成ながらも、時にはオーケストラのような迫力と突進力!
あれ?聴いているうちに、チェンバロや、ギターの様な弦楽器の音が聞こえる。
あっ!これは古楽器の演奏ではないか?!
よくよく聴いてみると、ビブラートがほとんどかかっていない。
色々なクラシック記事を読むと、古楽器演奏に対して、時々目にする意見は
モダン楽器で古楽器奏法をしている演奏が多く、非常にけしからん!
との話を読み、古楽器奏法に対して、あまり良くない偏見を持ってしまっていた。
しかし!そんな偏見は一瞬のうちに吹き飛んでしまった!
各楽器のサウンドが解け合って、清流のような透明感と
決めるところはビシっと決める歯切れの良さ。
このCDは、相当な楽器へのこだわりと、古楽器の奏法に対する徹底ぶりとの事。
詳しくは、他のレビューや記事を、ぜひ!読んでいただきたい!
装飾音も見事に表現されている、との事だが
装飾音に関して、以前に本で読んだ事がある。
装飾音というパターン化されたフレーズと
そのフレーズを表す記号があるとの事だ。
このCDのバイオリンの演奏の、フレーズの細かさは
その装飾音のモノなのか?
このCDに納められている5曲は、世界初録音との事。
ヴィヴァルディは「四季」しか聴いた事のない私にとって
以前に何回も録音されている有名な曲も、初試聴なのだが
このCDは忘れがたい1枚になりそうだ!
歌をビブラート無しで歌い、感動させるのが至難な事のように
カルミニョーラのバイオリンは、若干ビブラートはあるものの
ビブラートに逃げず、どこまでも旋律とサウンドで勝負している。
そして、抑揚と硬軟が効いた演奏で、聴いている人の心にそっと入ってくる。
この録音にたずさわったアーティストの
音楽力の高さを感じる1枚である!
次回、CD10、ドミンゴ&ジュリーニ/オペラ・ガラ
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