三大テノールの一人、ブラシド・ドミンゴと
カルロ・マリア・ジュリーニの競演のオペラ・ガラだ!
オケと歌の、呼吸のあった好演だ!
ボーカルをガツンと全面に出した録音で
ドミンゴの歌をたっぷりと堪能できる。
オペラの曲をちゃんと聴くのは今回が初めて。
まず、ドミンゴの声のパワーが凄い!
オケのボリュームに、ステレオの音量を合わせると
苦情がくるのではないか!と思うくらい声がでデカい!
録音のバランスで声がデカい、というだけではなく
多分、本当に凄い声量なんだと思う。
それが、このCDで伝わってくる。
まるで、宇宙戦艦ヤマトの波動砲のようなパワーだ!
芯がドンとあり、ハリのある声質。
また、8曲目の、高音で歌うフレーズが、非常に美しい声質で驚きだ!
ロサンジェルス・フィルも
虫メガネで小さな物を観察するかのように繊細な演奏で
歌をしっかりとサポートしている。
そして、歌の言葉は解らなくても、オケの演奏を聴いていると
歌の感情がさらに膨らんで心にスッと入ってくる感じがする。
あと、これはクラシック通の方からは笑われそうなんだが
このCDのロス・フィルの音が、ドイツ風なサウンドの様に聞こえる。
なんとなく素朴さを感じるような
色で例えると、くすんだメタリック・ブラックのようなサウンド。
以前にエリー・ナイの後期録音集を聴いたのだが
それにベートーベンのピアノ協奏曲があり
そのオケのサウンドに近い感じがするのだ。
これは、本当に感覚的な感想なのだが・・・。
聴けば聴く程に、非常に情熱的な感情がビシビシと伝わってくる。
いつか、オペラの映像も見てみたい!と心から思えるCDである。
次回、CD11、ドウダメル&ベネズエラ・シモン・ボリバル・ユース・オーケストラ/マーラー5番