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2011年12月16日金曜日

CD18 ガーディナー/モンテヴェルディ:聖母マリアの夕べの祈り パート1


このCDは、2枚組のうちの1枚目である。
録音はサンマルコ寺院で録音されたものである。
モンテヴェルディは、サンマルコ寺院の楽長をしていた人物である。

その事をふまえて聴くべきアルバムなのだ!

このCDの曲は「晩課」とよばれるもので
教会で午後六時からの儀式に歌われる曲との話を聞いた事がある。

ルネサンスの時期の曲だからだろうか
汝よ、自己を悔い改めたまえ、といったような
自己の手の届かない物にすがるような雰囲気の曲ではなく
むしろ、今、生きている事に喜びを感じて何がわるいのか!
とても言っているかのような
まるで、生きている事だけで楽しい、という
楽天的なニュアンスを感じる。

音響的には非常に良い!

このCDは、ぜひ!大きなスピーカーで
ある程度の大きなボリュームで聴いていただきたい。

あたかも、自分がサンマルコ大聖堂で
この音楽を聴いているかのような感じに包まれるのだ!

私は、古楽的な曲はあまり興味がわかないのだが
録音された環境を、そのまま自宅にいながら
バーチャル体験が出来る現代の恵まれた環境に感謝したい!

CD19、ガーディナー/モンテヴェルディ:聖母マリアの夕べの祈り パート2





2011年12月14日水曜日

CD17 フルトヴェングラー&ベルリンフィル/シューマン:4番・ハイドン:88番「V字」


出ました!
フルトヴェングラー&BPOです!

録音年は、シューマンの4番は1953年、ハイドンの88番は1951年。

どちらの曲もモノラル録音だが、音質が非常によく
ベルリンフィルの、繊細で密度の濃い弦楽器群のサウンド!
管楽器群の、焼きたての瓦のような、いぶし銀を連想させるサウンド!
そして、打楽器群の地響きのような重低音がバランスよくミックスされた
まさに!フルトヴェングラーの、あの音が!
デジタルリマスターの高音質で登場だ!

フルトヴェングラーは、デジタルリマスターの
ベートーベン全集を聴いた事があるが
そのCDに、勝るとも劣らない作品である!

このハイドンの録音年の1951年といえば
フルヴェンのベートーベン9番の
バイロイト祝祭管の伝説的録音と重なる。

ベートーベンが指事したハイドン
ベートーベンに影響を受けただろうシューマンという
古典派とロマン派の2曲のカップリングというのも
なかなか渋い選曲だと思う。

演奏は、まるで自分の楽器を奏でるかのような
フルヴェンの自由自在なテンポ設定、強弱で
完全に曲を自分のモノにしている!
まるで、ピアノを弾いているかのように
完全にオケ全体を、自分の心のままに鳴らしているようだ!

シューマン4番。
音の迫力が凄まじい!
ジャンボジェット機が、自分に向かって飛んで来るかのような轟音が
ドカン!ドカン!と鳴り響き
そうかと思うと、寄せては返す波のような繊細な演奏。

この曲の1楽章を聴いていて思ったのが
曲の構造が、ベートーベンの運命の1楽章と似ている気がする。
同じフレーズを縦と横に組み合わせ
まるで巨大建築を建設するかのように
これでもか!と言わんばかりり
同じフレーズをガンガン繰り出して曲を作っている。

そして、ベートーベンの作風に
ロマン派のエッセンスをほんのりまぶした感じが
耳にここちよいのだ!

このCDはシューマン4番が、なにかと話題になるが
ハイドン88番も素晴らしい!

巨大な弦楽四重奏という雰囲気で始まり
軽快なオケの演奏でサラっと終わるのだが
弦楽器群の魅力が非常によく出ていて
BPO のサウンドの上品さがよく表現されている。
そして、全体的に切れの良いアンサンブルで
思わずノってきて体が動いてしまうかのようだ。

フルヴェン&BPOは、どのような曲も
一気に聴かせてしまう力をもっている、まさに!
ザ・オーケストラというべき演奏が非常に多い
素晴らしい演奏の数々だと改めて感じた1枚である。

次回、CD18、ガーディナー/モンテヴェルディ:聖母マリアの夕べの祈り パート1






2011年12月13日火曜日

CD16 フリッチャイ/ヴェルディ:レクイエム

この演奏は、本当に凄い!
まずは演奏のデータを!

マリア・シュターダ(ソプラノ)
マリアンナ・ラデフ(メゾ・ドプラノ)
ヘルムート・クレプス(テノール)
キム・ボイル(バス)
ベルリン聖へトヴィヒ大聖堂歌隊
RIAS室内合唱団
ベルリンRIAS交響楽団
指揮:フィレンツ・フリッチャイ
録音:モノラル・1953年9月22日〜26日・ベルリン

まず、CDをかけた直後、大砲の玉がぶっ飛んできたような音圧に驚いた!
モノラル録音特有の、音が一直線に体にぶつかってくるような感じだ。

そして、モノラルながら非常に音質が良い!
歌、合唱が前に出ていながらも、オケのド迫力が物凄い!
それでいて、全体の音のバランスが非常に良い!

さらに、低音の迫力が超、超凄すぎる!!!

CDを聴きながら、目の前に置いてある机に触れると
低音の振動がビシビシ伝わってくる程、もの凄い!
決して、音がモコモコと、こもった音質とは違う。

なんだか、ここまでの文章で、凄い!を連発しているが
普通の民家に住む私の部屋で、まともな音量で聴くと
家の外にの低音が響いてるのではないか?と思う程凄い!

しかし、中音、高音もしっかりと聞こえるのだ。
残響音を抑えた録音で、輪郭もわりとハッキリした音質で
トータル的に、非常に素晴らしい録音であり
なおかつ、低音マニアには絶対におすすめのCDだ!

楽曲は、イタリア・ロマン派最大の、歌劇の作曲家と言われる
ヴェルディだけに、レクイエムといえども
まるで、オペラか歌劇を聴いているのではないか
と思う程曲が劇的で情緒豊かなのだ!

また、歌手のソロも全員が非常に良い!
聴いているうちに、まるで舞台から一番近い真ん中の席で
本人が、今ここで歌っているかのように
錯覚してしまうほど良音で、歌っている姿が思い浮かぶかような
歌いっぷりだ!
(注:デジタル録音程、高音質かつクリアという意味ではない)

ビートルズのデジタルリマスターのモノラル版があるが
それと近い感覚の音の良さだ!

モノラルでも、演奏が良く、元々の録音が良く
さらに、デジタルリマスターのセンスが良いと
モノラルだろうが、ステレオだろうが
聴いていて、まったく遜色がない!という
よい例といえるCDである。

次回、CD17、フルトヴェングラー&ベルリンフィル/シューマン:4番・ハイドン:88番「V字」