ページビューの合計

2011年12月31日土曜日

ブログ読者の皆様に感謝!

今年は本当に色々な事があった。

今、私は福島県に向かう車中で、ブログを書いている。

ここで、改めて、震災で被害を受けた方に、心からお見舞い申し上げます。
また、ご家族、ご親友を亡くされた方に、心からお悔やみ申し上げます。

私は、震災直後、銀座にあるライブハウスで、復興支援のため、チャリティーライブで演奏させていただき、微力ながら、支援させていただいた。

当初、街はまだ、震災の影響が甚大にあったが、ミュージシャンとして、お役にたつには、批判覚悟でも行動するしかない、と決意し、音楽仲間と共に、ライブをした。

そして、私事だが、私が勤めている会社が夏に火災で全焼した。
震災の不景気の中、追い討ちをかけて、経済的に崩壊寸前に追い込まれた。
会社は現在、なんとか、通常営業まで回復した。

火災の復旧中、長期の休暇を余儀なくされたが、その時に、グラモフォン、ボックスセットを知り、わずかなお小遣いを貯めて購入。
そして、内容の素晴らしさに感動し、大変に困難な状況の中
このブログを立ち上げた。

CD一枚事に感想を書くのは、けっこう大変で、なぜなら、それぞれのCDごと、作家、曲、奏者、録音年が違うので、音楽を聴いて、感じて、調べて、感想が文章として、形になるまで何回も聴く。

本当に、大変なブログを立ててしまったと、後悔した時もあったが、感想を書く事で、CDに携わった人達と、対話をしているかのような錯覚を感じる時がある。
そして、音楽を聴く、演奏する感性が、ハンパなく広がった!

毎日、一流の音楽と向き合っていると、多ジャンルの音楽の良し悪しも、ハッキリ分かってくる。

さらに、絵画などの良し悪しも、感じられるようになってきた。

来年は、音楽感想家として、さらに2つのブログを立ち上げる。

1つは、グラモフォン111年記念ボックスセットの黄箱の感想ブログ。
それは、このブログの赤箱の続編である。
この内容も、赤箱に負けない素晴らしい内容だ!

2つめは、ブリリアント、ベートーベン全曲集、85枚セットの感想ブログだ。
この内容も、非常に素晴らしい演奏、奏者、サウンド。
是非とも、感想を書きたい衝動にかられてしまった。

ベートーベン全曲のブログの準備は、着々と進めていて、先日、ベートーベンの生涯と、全ての作品解説を網羅した大著、属啓成(さっかけいせい)著『ベートーベン、作品編、生涯編』を入手。

ベートーベン好きは、絶対に入手すべし!
古書なので、値段も安い!

しかし!内容は他のベートーベン解説本の追随を許さない、圧倒的な解説と譜例で、非常に分かりやすく、楽しんで読める、音楽本としての大金字塔だ!

さらに、ミュージシャンとして、ライブ活動を、東京、銀座を拠点に行う!

もうすぐ目的の駅に到着。
気がつけば、外は真っ白な雪。
そろそろ、今年最後のブログを締めくくらねばならない。

このブログを読んで下さった方に、心から感謝申し上げます。

音楽感想家の駆け出しの、拙い文章をこれからも、皆さんが、あたかもCDを聴いたかのように思える感想が書けるように、感性と文章力に、磨きをかけて行きたいと決意しています。

皆さん、良いお年を!

2011年12月27日火曜日

CD21 ムジカ・アンティクワ・ケルン/バッヘルベル:カノン、その他


CDを再生した瞬間、あまりのサウンドのクリアーさに驚いた!

まるで、朝露が残るオレンジを
もぎ取った瞬間に口に入れたかのような
みずみずしいサウンドだ!

収録曲は
バッヘルベル:カノンとジーグ ニ長調
ヘンデル:トリオソナタOp5-4
ヴィヴァルディ:トリオソナタ第12番 ニ長調RV63
JSバッハ:管弦楽組曲第2番 ロ短調

バッヘルベルは、ドイツ・バロックのオルガン音楽の発展のうえで
バッハの先人として重要な人物。

ヘンデルは、バッハと並ぶ大音楽家。
バッハの教会音楽が多いのに対して
ヘンデルは劇場、公開演奏会の曲が多い。

ヴィヴァルディは、バッハに影響を与えた人物。

そう考えてみると
このCDは、バッハを中心としてのバロック時代の
音楽状況が1枚のCDでザックリと知る事ができる
資料的にも大変に素晴らしい内容だ。

そして、軽快なテンポとアタックを聴かせた演奏で
現在のバロック音楽演奏によくある「だるさ」が微塵もなく
CD全部を最初から最後まで一気に聴かせてしまう
演奏、音響ともに爽やかな音楽だ。

今まで、バロック時代の曲、とくにバッハの曲は
あまり感銘を受けなかったが
このCDのおかげで、バロック時代の曲を
もっと聴いてみたくなった1枚である!

初めてバロック時代の曲を聴く人に
絶対におすすめの1枚である!
大変に素晴らしい演奏!!

次回、CD22、グリモー&サロネン/クレド




2011年12月26日月曜日

CD20 ギレリス/ベートーベン:ワルトシュタイン・告別・情熱


ギレリスの演奏は、点をむすんで線にしたかのような
音の1つ1つが明確で、非常に素晴らしい演奏だ!

そして、ベートーベンの感情の起伏の激しさを
音でそのまま表現したようなCDである。

ベートーベンは、逆境にも負けない、意思の強い男らしさと
女性のような繊細で、恋に憧れる女性らしさが同居しているような人物だと思う。

1曲の中での、感情の起伏が極端に激しいベートーベンの曲を
ギレリスは見事に演奏しきっている。
また、細かいテクニカルな旋律が、見事に技術から芸術に昇華している!

ピアノのタッチが、繊細かつ大胆だが
まるで、繊細さは、木の葉から朝露がポツリと落ちるかのよう。
そして、大胆さは、巨大な鉄のハンマーで、大地をガンガンと叩くかのよう。
その、演奏のコントラストの差が、本当に素晴らしい!

サウンドも良い。
大きなスピーカーで、大きめのボリュームで聴くと
あたかもコンサートで、前の方で聴いているかのようだ。

それにしても、ベートーベンはいいなあ。
1人の人物が作曲したとは思えない程の
音楽の幅の広さとレパートリーなので
全集などを聴いても飽きがこない。
そして、なんだか、小説を読んでいるかのように
曲の中に、心の変化を物凄く感じて
聞き終わった時、自分の心の密度が濃くなるような気がする。

そのような曲と、曲の良さを最大に引き出す
ギレリスの力量があっての、素晴らしいCDである。

次回、CD21、ムジカ・アンティクワ・ケルン/バッヘルベル:カノン、その他