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2011年11月16日水曜日

CD8 ブーレーズ&クリーヴランド管弦楽団/ストラヴィンスキー:ペトルーシュカ、春の祭典


若干、控えめな指揮というか、おしとやかな雰囲気を感じるCDである。
曲順は、ペトルーシュカに始まり、春の祭典と続く。

ペトルーシュカは、バレエのストーリーが目に浮かぶような
イキイキとした演奏だ。
市場の喧噪、魔術師の登場。ペトルーシュカの愛、怒り、悲愁などの感情。
バレリーナ、ムーア人の感情を、上品に表現している感じで
まずまずの好演だと感じた。

そして、春の祭典・・・。

この曲、実は5回、6回、7回と聴きました。

その理由は・・・

感想が湧いてくるような、音楽的な感動が見つからなかったからです!!

なので、曲のストーリーなどをしっかり読んで
何回か聴いているうちに、何か感じる部分が見えてくると思い
忍耐力を最強モードにして聴き込みました。

しかし!これは困った!感想が出てこないのだ!

この曲は、どのような音楽アンテナで聴けばいいか、ぜんぜんつかめなくて
何回も、何回も聴いてしまいました。

そしたら、ある瞬間に、かすかな感想の光が見えてきました!

もしかして、この曲はプログレを聴く時のアンテナにすれば
何か見えるかもしれない・・・と。
さらに、「クラシック音楽鑑賞事典」で曲のあらすじを確認。

準備万端に整えて、いざ!改めて春の祭典の試聴にチャレンジ!

1、大地の礼賛
曲の流れはこうだ。
序曲→春のきざしと若い男女の踊り→誘拐→春のロンド→二つの村→
敵対する村の遊戯→賢人の行列→大地の礼参→大地の踊り

おーーー!やっと曲が見えてきた!
曲のストーリーを、細かく区切って聴いてゆけば
映像がどんどん湧いてくる!
演奏が、若干控えめな感じなのが幸いして、バレエを踊っているイメージが
俺の頭の中でガンガン膨らんでくるーーーーー!
おー!集っては散り、動いては止まり、激しく華麗に回ってるぜ!
この曲は、何となく聴く曲ではなく
ちゃんと場面を理解して聴く曲だったのだ!
最後の方は、まるでホルスト、惑星組曲の火星をイメージするような
恐ろしく、不気味なものが進軍してくるような迫力だ!

では次に行ってみよう!
2、生け贄の祭
序曲→若者の集会→選ばれた乙女への賛美→祖先の霊→祖先の儀式→神聖な踊り

凄く静かで、神聖な儀式のような演奏がしばらく続く。
すると、突然、大きな火柱がバー!と燃え上がったような演奏!
ティンパニーが、迫っては遠ざかるかのように、凄い重低音の迫力で響く。
そして、変拍子のフレーズがしばらく続き、聴いているうちにトリップしてくる。
あー、脳内麻薬が分泌されるーーー!

すると、突然!息絶えるように終わる。

この曲、スゲー難曲じゃねーか!
その曲を、スムーズに流れるように聴かせる
ブーレーズの譜面読みは、驚愕的に深いのではないか?!

このCDは、曲の聞き所をつかむと、病み付きになるかもしれない恐ろしいCDかも。

まるで、暗い部屋に閉じ込められて、はじめは何も見えないが
だんだん目が暗闇に慣れてくると、周りの物が見え始め
そして、しばらくすると暗いながらもハッキリと見えてくる時のように
このCDは、魅力を少しでも感じてくると、全体の演奏の深さが見えてくるのだ!

いやはや!このCDは、聴き始めてから悪戦苦闘して、感想を書くまでに4日を費やした。
途中でくじけそうになったが、CDの素晴らしさを感じた今
山を一つ制覇したような、壮快な気分と喜びに満ちている。

次回、CD9、カルミニョーラ/ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲集









2011年11月15日火曜日

CD7 ベーム、ウィーンフィル/モーツアルト:レクィエム


ウィーンフィルの本拠地、ムジークフェラインザールでの録音。
沈み行く太陽を、この手の中に抱きかかえたような
物凄く壮大なサウンドだ!

オケ、4人のソリスト、合唱のバランスが非常に良く
各パートの音が、しっかりと聞き取れる素晴らしい録音だ!

目を閉じて、両腕を広げて、天を仰ぎたくなる!

試しに、実際にやってみた。
そしたら、不思議な事に、眉間にシワがより、顔を下に向けて
両腕を胸の前で重ね、何かにすがりたい気持ちになる。

このモーツアルト最後の作品には、有名なエピソードがある。

モーツアルトのもとに無名の使者がたずねてきて
この曲の作曲を依頼し、その使者を、自分の死を告げる使者と思い込み
自分の冥福を祈り、泣きながら作曲したとの事。

モーツアルトはレクイエムの第1曲のみを完全に完成させ
1791年12月5日、悪性チフスのため、感染を防ぐ為に
急いで共同墓地に埋葬されたので、妻、友人がかけつけた時には
どこに埋葬されたかわからなかったそうだ。

未完の部分は、弟子の手で
モーツアルトのスケッチや指示をもとに、補筆完成したとの事。

この、ベーム、ウィーンフィル、ウィーン国立歌劇場合唱団、4人のソリストの
レクイエムは、亡くなった人を送る曲というよりも
モーツアルトの、まだ、俺は死になくないんだ!もっともっと生きたいんだ!という
まるで、握った拳から血が流れ出るような、そんな悲痛な思いを感じる演奏だ。

このCDを聴いて、フランダースの犬の、有名なラストシーンの
天使に送られて天国に行く場面を思い出したり
また、荒波が巌に打ち付けられ、白く大きな波しぶきを上げるような
そんな場面を連想させるような厳しさを感じたりした。

このCDの演奏は、偉大なる音楽家の、偉大なる奏者による、偉大なる名演だ!
クラシック音楽の醍醐味と、サウンドの美しさを
全て備えた、文句無しの名盤である!

次回、ブーレーズ、クリーヴランド管弦楽団/ストラヴィンスキー:ペトルーシュカ、春の祭典












2011年11月13日日曜日

閑話休題〜私の音楽機器


ここで、ちょっと私の現在の音楽機器を紹介します。

音楽鑑賞は、基本的に家で聞きます。でも、外で聞きたい時もあります。
最近まで、パソコンにCDを取り込んでいました。

ソレを自宅ではケンウッドの20年ほど前のオーディオから出力。
外ではiPodにFiooのE5(小さいヘッドホンアンプ)をつないで聞いてました。

が、CDの音をデータを圧縮しないで、なるべく高音質で聞きたい!と思い
最近、コレを買いました。


ポータブルCDプレーヤーです。
ケッ!何だよ、この低音質が!と言う事なかれ!

このCDプレーヤー、パナソニックのポータブルの最終機種で
CDの原音を忠実に出力し、さらにデジタルアンプ内蔵で
高音質かつ、大音量で再生します。
しかも、音飛びが、まったくありません!
カクテルシェイカーを振る程の振動でも、飛びません!!(これには驚いた)

以前のCDプレーヤーは、音飛びを防止するさい
再生した音をプレーヤーに内蔵されているメモリーに記憶させて
内蔵のアナログアンプを経由して再生するので音が劣化したそうですが
このプレーヤーは仕組みが違います。
デジタルアンプにプールした音を、そのままの音質で出力するから
CD本来のデジタルサウンドを音飛び無しで
出力できるそうです。(詳しくは、よくわからん!)
何より!ヤフオクで激安で落札!

これがプレーヤーのフタを開けた写真。
音質を3段階で選べます。
ノーマル、低音ブースト、さらに低音ブースト。

オーディオのスピーカーで聴くときはノーマル。
ヘッドホンで聴く時は、ヘッドホンの種類に合わせて低音をブーストします。

低音ブーストといっても、中高音はそのままの高音質で
低音だけを上品な音質で、ググっと持ち上げます。

プレーヤーのヘッドホン端子から、オーディオーの赤白端子に入力。

パソコンに取り込んだ音と比較して違う点は
音場の広さ、繊細な音まで忠実に再現。
さらに、高音質のまま、外に持ち出せる!

外で音楽を持ち出す時に聴く時間は
せいぜいCD1枚、2枚分くらい。
もっとCDを聞くのであれば、複数枚入るコンパクトなCDケースを買えばいい。

今、現行で発売されているポータブルCDの機種は驚く程少ないのですが
現在は、CDがどんどんデジタルリマスターされていたりするので
また、これから超高音質のポータブルCDを、ぜひ!開発、発売してもらいたい!

パソコンで高音質で音楽を聴くなら,デジタルリマスター済みの音を
ネット経由でデータを購入し、ダイレクトにパソコンに取り込んだ方が高音質で聴ますね。