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2012年1月6日金曜日

CD22 グリモー&サロネン/クレド

まずは収録曲から。

コリリアーノ/オスティナートによるファンタジア
ベートーベン/テンペスト
ベートーベン/合唱幻想曲
ペルト/クレド

そして
オケ/スウェーデン放送交響楽団
合唱/スウェーデン放送合唱団
指揮/エサ=ベッカ・サロネン

1曲目の、オスティナートによるファンタジアの作者、コリリアーノは
アメリカ・ニューヨーク出身の作曲家であり、ニューヨーク音大の教授。
この曲、浮遊感のある曲だ。
鏡のような水面に、水滴がポタっと落ちた時のような
水の波紋を思わせるような、静寂を感じさせる曲想と演奏。

2曲目のテンペスト。
女性らしさを感じる演奏。
タメを効かした演奏が個性的。

3曲目の合唱幻想曲。
第九を思わせる様な曲。
荘厳より明るさを感じる。
オケの音が素晴らしい!!
途中、ピアノとオケがズレそうになるものの
なかなかの好演。
合唱も素晴らしい。

そして、エストニア出身の作曲家、アルヴォ・ペルトの曲、クレド。
はじめは荘厳な感じで始まるが、次第に和音が不協和音になり
そして、リズムをも崩壊させるかのような、破壊的な曲想になり
次第に、音楽が形へと復元され穏やかな曲想になり
最後に合唱の咆哮ともいうべき声のあと
超静かなピアノで消え入るように終わる。
なんとも不思議な感じの曲だ。

ちなみに「クレド」の意味はラテン語で信条。
名詞としての意味は、会社の社訓や心得などが書かれた
携帯できるカード状の物。

このCDは、デッカ移籍第1作目となるグリモーの信条を形にした
まさに「クレド」なCDなのである!

そして、グリモーは、地球という生命体は、皆つながっているのだ!
という事を、このCDの選曲で表したのではないかと思う。

変わった選曲のCDだが
強い強い決意と気合いを感じるCDである!

次回、CD23、ヒラリー・ハーン/バッハ:ヴァイオリン協奏曲





2011年12月31日土曜日

ブログ読者の皆様に感謝!

今年は本当に色々な事があった。

今、私は福島県に向かう車中で、ブログを書いている。

ここで、改めて、震災で被害を受けた方に、心からお見舞い申し上げます。
また、ご家族、ご親友を亡くされた方に、心からお悔やみ申し上げます。

私は、震災直後、銀座にあるライブハウスで、復興支援のため、チャリティーライブで演奏させていただき、微力ながら、支援させていただいた。

当初、街はまだ、震災の影響が甚大にあったが、ミュージシャンとして、お役にたつには、批判覚悟でも行動するしかない、と決意し、音楽仲間と共に、ライブをした。

そして、私事だが、私が勤めている会社が夏に火災で全焼した。
震災の不景気の中、追い討ちをかけて、経済的に崩壊寸前に追い込まれた。
会社は現在、なんとか、通常営業まで回復した。

火災の復旧中、長期の休暇を余儀なくされたが、その時に、グラモフォン、ボックスセットを知り、わずかなお小遣いを貯めて購入。
そして、内容の素晴らしさに感動し、大変に困難な状況の中
このブログを立ち上げた。

CD一枚事に感想を書くのは、けっこう大変で、なぜなら、それぞれのCDごと、作家、曲、奏者、録音年が違うので、音楽を聴いて、感じて、調べて、感想が文章として、形になるまで何回も聴く。

本当に、大変なブログを立ててしまったと、後悔した時もあったが、感想を書く事で、CDに携わった人達と、対話をしているかのような錯覚を感じる時がある。
そして、音楽を聴く、演奏する感性が、ハンパなく広がった!

毎日、一流の音楽と向き合っていると、多ジャンルの音楽の良し悪しも、ハッキリ分かってくる。

さらに、絵画などの良し悪しも、感じられるようになってきた。

来年は、音楽感想家として、さらに2つのブログを立ち上げる。

1つは、グラモフォン111年記念ボックスセットの黄箱の感想ブログ。
それは、このブログの赤箱の続編である。
この内容も、赤箱に負けない素晴らしい内容だ!

2つめは、ブリリアント、ベートーベン全曲集、85枚セットの感想ブログだ。
この内容も、非常に素晴らしい演奏、奏者、サウンド。
是非とも、感想を書きたい衝動にかられてしまった。

ベートーベン全曲のブログの準備は、着々と進めていて、先日、ベートーベンの生涯と、全ての作品解説を網羅した大著、属啓成(さっかけいせい)著『ベートーベン、作品編、生涯編』を入手。

ベートーベン好きは、絶対に入手すべし!
古書なので、値段も安い!

しかし!内容は他のベートーベン解説本の追随を許さない、圧倒的な解説と譜例で、非常に分かりやすく、楽しんで読める、音楽本としての大金字塔だ!

さらに、ミュージシャンとして、ライブ活動を、東京、銀座を拠点に行う!

もうすぐ目的の駅に到着。
気がつけば、外は真っ白な雪。
そろそろ、今年最後のブログを締めくくらねばならない。

このブログを読んで下さった方に、心から感謝申し上げます。

音楽感想家の駆け出しの、拙い文章をこれからも、皆さんが、あたかもCDを聴いたかのように思える感想が書けるように、感性と文章力に、磨きをかけて行きたいと決意しています。

皆さん、良いお年を!

2011年12月27日火曜日

CD21 ムジカ・アンティクワ・ケルン/バッヘルベル:カノン、その他


CDを再生した瞬間、あまりのサウンドのクリアーさに驚いた!

まるで、朝露が残るオレンジを
もぎ取った瞬間に口に入れたかのような
みずみずしいサウンドだ!

収録曲は
バッヘルベル:カノンとジーグ ニ長調
ヘンデル:トリオソナタOp5-4
ヴィヴァルディ:トリオソナタ第12番 ニ長調RV63
JSバッハ:管弦楽組曲第2番 ロ短調

バッヘルベルは、ドイツ・バロックのオルガン音楽の発展のうえで
バッハの先人として重要な人物。

ヘンデルは、バッハと並ぶ大音楽家。
バッハの教会音楽が多いのに対して
ヘンデルは劇場、公開演奏会の曲が多い。

ヴィヴァルディは、バッハに影響を与えた人物。

そう考えてみると
このCDは、バッハを中心としてのバロック時代の
音楽状況が1枚のCDでザックリと知る事ができる
資料的にも大変に素晴らしい内容だ。

そして、軽快なテンポとアタックを聴かせた演奏で
現在のバロック音楽演奏によくある「だるさ」が微塵もなく
CD全部を最初から最後まで一気に聴かせてしまう
演奏、音響ともに爽やかな音楽だ。

今まで、バロック時代の曲、とくにバッハの曲は
あまり感銘を受けなかったが
このCDのおかげで、バロック時代の曲を
もっと聴いてみたくなった1枚である!

初めてバロック時代の曲を聴く人に
絶対におすすめの1枚である!
大変に素晴らしい演奏!!

次回、CD22、グリモー&サロネン/クレド




2011年12月26日月曜日

CD20 ギレリス/ベートーベン:ワルトシュタイン・告別・情熱


ギレリスの演奏は、点をむすんで線にしたかのような
音の1つ1つが明確で、非常に素晴らしい演奏だ!

そして、ベートーベンの感情の起伏の激しさを
音でそのまま表現したようなCDである。

ベートーベンは、逆境にも負けない、意思の強い男らしさと
女性のような繊細で、恋に憧れる女性らしさが同居しているような人物だと思う。

1曲の中での、感情の起伏が極端に激しいベートーベンの曲を
ギレリスは見事に演奏しきっている。
また、細かいテクニカルな旋律が、見事に技術から芸術に昇華している!

ピアノのタッチが、繊細かつ大胆だが
まるで、繊細さは、木の葉から朝露がポツリと落ちるかのよう。
そして、大胆さは、巨大な鉄のハンマーで、大地をガンガンと叩くかのよう。
その、演奏のコントラストの差が、本当に素晴らしい!

サウンドも良い。
大きなスピーカーで、大きめのボリュームで聴くと
あたかもコンサートで、前の方で聴いているかのようだ。

それにしても、ベートーベンはいいなあ。
1人の人物が作曲したとは思えない程の
音楽の幅の広さとレパートリーなので
全集などを聴いても飽きがこない。
そして、なんだか、小説を読んでいるかのように
曲の中に、心の変化を物凄く感じて
聞き終わった時、自分の心の密度が濃くなるような気がする。

そのような曲と、曲の良さを最大に引き出す
ギレリスの力量があっての、素晴らしいCDである。

次回、CD21、ムジカ・アンティクワ・ケルン/バッヘルベル:カノン、その他





2011年12月21日水曜日

CD19 ガーディナー/モンテヴェルディ:聖母マリアの夕べの祈り パート2

前回のブログに続き、聖母マリアの夕べの祈り、2枚組のうちの2枚目である。

こちらも音響は大変に美しい。
サンマルコ寺院での録音で、その寺院の残響音の豊かさを
そのままパッケージし、なおかつ
それぞれの音がハッキリと聞き取れる
音響的にきわめて優れたCDだ!

歌が、まるで空気にとけ込んでしまうかのような
各パート、ソロの美しさは
心の汚れを洗い流してくれるかのような
雪よりのさらに白い色のような清らかさを感じる。

そして、器楽パートも素晴らしいアンサンブルで素晴らしい。

聴き進めてゆくうちに
音が右から、左から、手前から、奥から
色々な所から聞こえてきて
作曲当時、サンマルコ寺院特有の
ステレオ効果を演出できる設備を完全に活かし切った楽曲であり
その楽曲を、傷1つない、完璧に再現した演奏である!

このCDの録音風景の映像があるらしいが
ぜひ、そちらも見てみたい!と強く思ったCDである。

次回、CD20、ギレリス/ベートーベン:ワルトシュタイン・告別・情熱



2011年12月16日金曜日

CD18 ガーディナー/モンテヴェルディ:聖母マリアの夕べの祈り パート1


このCDは、2枚組のうちの1枚目である。
録音はサンマルコ寺院で録音されたものである。
モンテヴェルディは、サンマルコ寺院の楽長をしていた人物である。

その事をふまえて聴くべきアルバムなのだ!

このCDの曲は「晩課」とよばれるもので
教会で午後六時からの儀式に歌われる曲との話を聞いた事がある。

ルネサンスの時期の曲だからだろうか
汝よ、自己を悔い改めたまえ、といったような
自己の手の届かない物にすがるような雰囲気の曲ではなく
むしろ、今、生きている事に喜びを感じて何がわるいのか!
とても言っているかのような
まるで、生きている事だけで楽しい、という
楽天的なニュアンスを感じる。

音響的には非常に良い!

このCDは、ぜひ!大きなスピーカーで
ある程度の大きなボリュームで聴いていただきたい。

あたかも、自分がサンマルコ大聖堂で
この音楽を聴いているかのような感じに包まれるのだ!

私は、古楽的な曲はあまり興味がわかないのだが
録音された環境を、そのまま自宅にいながら
バーチャル体験が出来る現代の恵まれた環境に感謝したい!

CD19、ガーディナー/モンテヴェルディ:聖母マリアの夕べの祈り パート2





2011年12月14日水曜日

CD17 フルトヴェングラー&ベルリンフィル/シューマン:4番・ハイドン:88番「V字」


出ました!
フルトヴェングラー&BPOです!

録音年は、シューマンの4番は1953年、ハイドンの88番は1951年。

どちらの曲もモノラル録音だが、音質が非常によく
ベルリンフィルの、繊細で密度の濃い弦楽器群のサウンド!
管楽器群の、焼きたての瓦のような、いぶし銀を連想させるサウンド!
そして、打楽器群の地響きのような重低音がバランスよくミックスされた
まさに!フルトヴェングラーの、あの音が!
デジタルリマスターの高音質で登場だ!

フルトヴェングラーは、デジタルリマスターの
ベートーベン全集を聴いた事があるが
そのCDに、勝るとも劣らない作品である!

このハイドンの録音年の1951年といえば
フルヴェンのベートーベン9番の
バイロイト祝祭管の伝説的録音と重なる。

ベートーベンが指事したハイドン
ベートーベンに影響を受けただろうシューマンという
古典派とロマン派の2曲のカップリングというのも
なかなか渋い選曲だと思う。

演奏は、まるで自分の楽器を奏でるかのような
フルヴェンの自由自在なテンポ設定、強弱で
完全に曲を自分のモノにしている!
まるで、ピアノを弾いているかのように
完全にオケ全体を、自分の心のままに鳴らしているようだ!

シューマン4番。
音の迫力が凄まじい!
ジャンボジェット機が、自分に向かって飛んで来るかのような轟音が
ドカン!ドカン!と鳴り響き
そうかと思うと、寄せては返す波のような繊細な演奏。

この曲の1楽章を聴いていて思ったのが
曲の構造が、ベートーベンの運命の1楽章と似ている気がする。
同じフレーズを縦と横に組み合わせ
まるで巨大建築を建設するかのように
これでもか!と言わんばかりり
同じフレーズをガンガン繰り出して曲を作っている。

そして、ベートーベンの作風に
ロマン派のエッセンスをほんのりまぶした感じが
耳にここちよいのだ!

このCDはシューマン4番が、なにかと話題になるが
ハイドン88番も素晴らしい!

巨大な弦楽四重奏という雰囲気で始まり
軽快なオケの演奏でサラっと終わるのだが
弦楽器群の魅力が非常によく出ていて
BPO のサウンドの上品さがよく表現されている。
そして、全体的に切れの良いアンサンブルで
思わずノってきて体が動いてしまうかのようだ。

フルヴェン&BPOは、どのような曲も
一気に聴かせてしまう力をもっている、まさに!
ザ・オーケストラというべき演奏が非常に多い
素晴らしい演奏の数々だと改めて感じた1枚である。

次回、CD18、ガーディナー/モンテヴェルディ:聖母マリアの夕べの祈り パート1