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2011年11月11日金曜日

CD3 アルゲリッチ/ショパン:前奏曲&葬送ソナタ

ショパンをキチンと聞くのは、今回が初めてです。

アルゲリッチは、クラシックの聞き始めの時に、何も解らずに
ベートーベンのピアノ協奏曲のCDを聞いた事があります。

ショパンと言えば、イメージ的に繊細な感じがしていましたが
このCDの演奏は、たくましいショパン!といった感じがしました。
まるで、紙に黒マジックで点を連続で書いて、線にするかのように
全ての指のタッチが鮮明な、テクニック的にも素晴らしい演奏。
サウンドも上々。

まずは24の前奏曲と2曲の前奏曲。
色々な風景画を鑑賞しているようなバラエティーにとんだ曲想で
曲によっては、イングヴェイを思わせるような、アルゲリッチの高速プレイに
「何だこれ!すげーなあ」と新鮮な驚きを感じました。
まるで、いきなりボールを投げられて、ビックリした時のような気持ち。

本当に音楽って、心の「いい薬です!」by太田胃散。

12音平均律の、長調、短調の全24の全ての調を使って作曲したこの前奏曲。
曲を書く人も、弾く人も、どちらもチャレンジャー魂を感じました。

参考までに、24の前奏曲にコルトーが付けたといわれる
各曲のタイトル的なものを記載します。(クラシック音楽鑑賞辞典より)

1、恋しき人を待ちこがれて
2、悲しい瞑想、はるかに見える寂しい海
3、小川の歌
4、墓場のほとり
5、歌声にみてる木
6、ホームシック
7、記憶の中を芳しき香りのごとく楽しき思い出はただよう
8、雪ははげしくふり、風はうなり、嵐はたける。わが心の中は、なおはげしい嵐あり
9、ポーランドの最後
10、降り来る火煎
11、若き乙女の願い
12、夜の騎行
13、故郷を遠く離れて、星月夜を仰ぎ、はるかなる恋人を思う
14、嵐の海

(書いてて、ちょっと疲れてきた・・・)

15、愛児をゆすって眠らせる母の心、母も夢の世界にある。夢は恐ろしい夢だった。わが児の運命は絞首台で終わると告げられる。あまりの驚きに叫んだ自分の声で夢は醒めた。醒めた母の心はまだ脈うっている。

※ジョルジュ・サンドの評
僧院の屋根の上に落ちる雨だれの音を思わせる

16、奈落の底への道
17、彼女は私を愛してると言った
18、呪詛
19、恋人よ、我にもし翼あらば、とく君が許に天かけり行かんものを
20、葬送行進曲
21、誓った思いでの処に独り寂しく帰ってゆく
22、反抗
23、水の女神たわむれ
24、若い血、逸楽、死

(はあ!はあ!一気に書いたので息切れしそうだ!)

そして葬送ソナタ。
3楽章の葬送行進曲。いやー、引き込まれるプレイですねえ!
この曲のフレーズは、インベーダーゲームで撃たれた時にしか聞いた事がありませんでした。
その、有名なフレーズの後に出てくる、長調の囁くようなフレーズの繰り返しの、素晴らしさ!
故人との美しき思いでを、しみじみ、しみじみと回想するかのような。
まるで、小さい筆で、肌の産毛をこするか、こすらないか位の
アルゲリッチのピアノのタッチの繊細さは
知らぬ間に、曲想に包み込まれてしまします。

そして4楽章の怒濤のエンディング!
遊園地のコーヒーカップに乗って、全速力で回転させて、目が回ってフラフラになって
やっとの思いで、おりた時のような感覚でした。

このCDは、ショパンの随筆集のような、色とりどりな演奏でした!

次回、バレンボイム&パリ管/ラヴェル作品集です。

ちなみに私は、ほとんどのクラシック曲を、初めて聞くので
毎回、作曲家、演奏家の新作を初めて聞くようなワクワク感で一杯でーす!
バーチャル的に、当時の人の気分を楽しんでまーす!



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