二枚目にして早速登場しました!ベートーベン弦楽四重奏!
第7番(またの名をラズモフスキー1番)と、第14番!
ベートーベンの16作品ある弦楽四重奏のなかの名曲が、さっそくCD2で登場!
ボックスセットだからといって、出し惜しみしないグラモフォンの本気度をヒシヒシと感じますねえ。
まず、サウンドが非常に素晴らしい・・・。
残響音を抑えたサウンドで、まさに室内の、今、ここで、演奏している、かのようです。
まるで、ピントがビシっと決まった風景写真のように、四人の音がはっきりと聞こえ、楽器のボディーの響きまで伝わってきます。が、アナログ録音の暖かみがあり、若干、空気に触れた白ワインのように、まろやかなサウンド。
ベートーベンの弦楽四重奏の16作は、この7番から曲想のオリジナリティーが、ぐっと増す感じがします。
まず、7番!
1楽章、青年が太陽に向かって走っているような颯爽とした躍動感。
2楽章、四人が同じフレーズでハモっている時の一体感!音の厚みがハンパない!
3楽章、悲哀が背中から徐々に体を包み込むような楽想。
4楽章、人生の困難にも体当たりでブツかってゆくような感じ。
もう、交響曲を聞いてるようなアンサンブル!
当時のウィーンの人は「狂人のつぎはぎ細工」と嘲笑したとの言い伝えがあるが、当時としては斬新すぎる曲だったのだろう。
ベートーベンの弦楽四重奏の1〜6番までは、なんとなく古典的というか、いかにもお上品な弦楽四重奏だなあ、と感じて、皆が言うように素晴らしいとは思えなかったが、7番から、ちょっと待てよ!曲想がここから違ってきたぞ、という期待感を感じた。
そして14番!七楽章まである。
1楽章、薄明かりの暖炉の前で、人生を振り返っているかのよう。
2楽章、青春!野原で恋人と遊ぶような、ほのぼのとした幸福感を感じる。
3楽章、古典的な雰囲気。
4楽章、二人だけでワルツを踊るような、気品を感じる曲想。
5楽章、軽快なリズムで、四人の絶妙なコンビネーション!トムとジェリーが追いかけっこしているような曲想。
6楽章、超短い!約2分!人生で色々と悲しい出来事もあったが・・・とポツリと一言の後の・・・
7楽章、大海原を進む船の様。雨、風、嵐、そして太陽があるように、どんな困難にも雄々しく進んでゆこう!と言っているような曲想。思わす拳をにぎり、手を振ってリズムをとりたくなる!ベートーベンが「お前ら!がんばれ!がんばれ!」と言っているような感じ。
14番は、あの人類の音楽遺産ともいえる「第九」から3年後に作曲。
死の8ヶ月前の作品だそうです。
そう思って聞くと、聞く人それぞれ、自分の人生と照らし合わせて、色々な感想や、思い入れがあるのでしょうね。
CDを聞き終わって、小説を読み終えた時のような充実感を感じました。
ベートーベンは、ドラマ性が強い曲が多いなあ、と改めて思いました。
CDの最後の最後で、音がプツン、プツンと切れ切れになったのが、ちょっと残念。
しかし、それに勝る演奏内容でした!!!!!
次回、CD3、アルゲリッチ/ショパン:前奏曲&葬送ソナタ
色んな意味で驚きを期待!
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