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2012年2月23日木曜日

CD31 ラン・ラン、バレンボイム&シカゴ響/チャイコフスキー、メンデルスゾーン、ピアノ協奏曲

ランランの力強く、かつ繊細な演奏と
バレンボイム&シカゴ響の、オケだけでも演奏がなりたつ程の
起伏にとんだ感情豊かな演奏のベストマッチのCDだ!

ランランは、一度テレビでその演奏を見たが
大きな瞳で、また表情豊かで
汗びっしょりになりながらひたむきに演奏していた。
若さ溢れるエネルギッシュな演奏だった。
また、その姿に非常に感銘を受けた。

音楽はお客さんの前で演奏するのもなので
演奏を「見せる」という要素も絶対不可欠だ。
ランランは演奏を「見て」楽しめて
聴くだけでも素晴らしいという
才能溢れれる若手奏者だと思う。

チャイコフスキー、ピアノ協奏曲第1番!
まず!オケの演奏が抜群にすばらしい!
そして、ランランの叩き付けるようなピアノで始まり
あたかも、凱旋将軍が威風堂々と行進するかのような
まっすぐな演奏でオープニングする。

そして、オケ、ピアノともに感情豊かな演奏が続く。
ピアノのテクニックも聴いていて心地よい。
小さな音での早いフレーズなど
お湯を弱火で沸騰させた時に
小さな泡が次々にわいてくるかのごとく
粒のそろったピアノの音が心地よく耳に入ってくる。

そしてメンデルスゾーン、ピアノ協奏曲第1番。
ピアノ協奏曲の形式を意識せずに作曲したであろう楽想は
ピアノとオケが完全に溶け合った曲だ。
コーヒーと牛乳をミックスして、初めてカフェオレという飲み物ができるような曲だ。
しかしながら、オケがピアノを最大限にサポートして
ピアノ演奏をより、魅力的なものにしているのが良く解る。

オケとピアノの迫力を楽しむなチャイコフスキー。
よりランランのピアノを楽しむならメンデルスゾーンだ。

いずれにしても、このCDは非常にすぐれた演奏と感情表現に成功している
ピアノ協奏曲であることは間違いなく
聞き終わった時に、ランランが汗だくになって笑顔で挨拶をしているのが
目に浮かんでくるような魅力的な1枚である。

次回、CD32、マゼール&ベルリンフィル/メンデルスゾーン、「イタリア」「宗教改革」





2012年2月20日月曜日

CD30 クーベリック&ベルリンフィル/ドヴォルザーク、8番・9番「新世界より」

感情豊かで、非常に繊細かつ大胆な演奏である。

8番は初めて聴いたが、各楽章とも非常に素晴らしい曲を
非常に素晴らしいクーベリック&ベルリンフィルの演奏が
曲想を感情豊かに奏でている。
メロディーが日本人の感性にストレートに入ってくるようだ。

9番「新世界より」
2楽章、4楽章の有名なメロディーは当然すばらしい。
それ意外の楽章は今回初めて聴いたが
アメリカの荒野を馬に乗って駆け抜けてゆくかのような
壮大な楽想だ!

このCDの演奏は、ダイナミクスの幅が非常に大きく
繊細な部分はガラス細工のように
大胆な部分は爆弾が爆発したように
メリハリがハッキりしていてい
あたかもオーケストラが語っているような演奏だ。

古典派の楽想に、ロマン派のフレーバーを振りかけたような
個人的に好みの曲だ。

ドヴォルザークの他の曲も聴いてみたくなる1枚である。
また、他の指揮者やオケも聴いてみたい!

次回、CD31、ラン・ラン、バレンボイム&シカゴ響/チャイコフスキー、メンデルスゾーン、ピアノ協奏曲


2012年2月3日金曜日

CD29 コジェナー、マルコン、ヴェニス・バロック管弦楽団/ヘンデル:アリア集

ベニスバロックオーケストラとの素晴らしい録音である!

CD28もそうだが、CDのデータにノイズが載っている、非常に残念だが
オケの演奏も非常に素晴らしいし
コジェナーの感情表現が非常に素晴らしいとともに個性的な声でもある。

歌の感情表現は、日本のシャンソン歌手のように
語るように歌い、言葉が解らなくても
どのような事を言いたいのかを何となく解る歌い方だ。

オケの演奏も、かりに歌がなかったとしても
オケだけでも素晴らしい作品としてなりたつ素晴らしい演奏で
優雅な響きにして繊細さと大胆さがあり
同時代のバッハの曲と比較すれば
バッハが石造りの城だとすると
このCDの雰囲気は
宮殿のキラビやかな部屋と言った感じだ。

バロック時代の曲は色々な雰囲気の曲が多くて
面白い時代だったんだな、と感じる1枚である。

次回。CD30、クーベリック&ベルリンフィル/ドヴォルザーク、8番・9番「新世界より」


2012年1月25日水曜日

CD28 クライバー、ウィーンフィル/ベートーベン:第5&第7

第五の第1楽章はスピーディーでスマートな演奏だ!

他の指揮者の演奏と聴き比べれば
その快速なテンポがハッキリと解る。

余計な感傷的な気持ちなど微塵も感じない演奏。
まるで、青年が大嵐の中を全速力で走っているかのような演奏だ。

全体的に、残響音が多めのスケールの大きめのサウンドだ。
そして残念ながらCD自体のノイズがけっこうある。(私のCDだけだといいが)

その他の曲は、標準的なテンポといっていいだろう。
このクライバーのCDは、強弱のメリハリが非常にあり
弱音のときボリュームを上げると
他の部分でビックリするくらいデカイ音になる。

とにかく!この五番の第一を聴いてしまうと
他の五番第一が、あざとく聞こえてしまうくらいに
さっぱりと切れが良い。
アサヒスーパードライのような演奏だ。

名盤かどうかは正直なところ解らないが
このような演奏もある!という
個性的な1枚である。

次回、CD29、コジェナー/ヘンデル:アリア集






2012年1月20日金曜日

CD27 ケンプ、ライトナー、ベルリンフィル/ベートーベン:ピアノ協奏曲4番&5番


ベルリンフィルが、メタリックグレーとでも例えられる
いかにもドイツらしいサウンドを奏でる!

そして、ケンプの確かな技術の
繊細で実直な、非常に響きの良いピアノのサウンドが
オーケストラの音と完全に解け合っている!

サウンドのバランスは
若干ピアノの音が前に出ていて
それでいて、オケの音も出す所は出す!というような
ピアノ協奏曲として、聴き易くバランスの良いサウンドだ!

ケンプって本当に上手いピアニストだと思う。
難しいフレーズでも、オケとのリズムが崩れない!
難しいフレーズでも、テンポがモタつかない!
オケとの掛け合いのような部分も、リズムが走らない!

ケンプは、以前にベートーベン、ピアノソナタ全集を聴いたが
ピアノを歌わすのが非常に上手いピアニストだ!
そのケンプの演奏が、ライトナー指揮のベルリンフィルの音と
一体となって、まるで、ピアノシンフォニーとでもいうような
素晴らしい作品となっている!

ライトナーも、決してオケが出しゃばる訳でもなく
かといって、ピアノに遠慮して控えめでもなく演奏している。

ケンプも、オケと寄り添うように演奏していて
なおかつ、出る所はガツンと出る!!

本当に素晴らしい演奏!

4番も5番も、凛々しくもおしとやかな楽想で
ベートーベンの激しさと、繊細さが見事に表現されている。

この演奏はまるで、ある老夫婦が
一つの洋食屋を長年経営してきて
言葉を交わさなくてもお互いの動きを察知して
いいタイミングでドリンクと食事を出し
多くのお客さんに毎日喜んでもらえるサービスを
提供し続けている、心和む店のような演奏だ!

このCDは、ピアノ協奏曲のお手本のような
本当に素晴らしいアルバムだ!
名盤といえるだろう!

次回、CD28、クライバー、ウィーンフィル/ベートーベン:第5&第7

2012年1月18日水曜日

CD26 カラヤン、ベルリンフィル/第九、コリオラン

ついに登場!カラヤン、ベルリンフィル!

このCDは1曲目のコリオランが実に素晴らしい!

第九は残響音がけっこう深く
若干だが輪郭がモワッとしている。
もちろん!演奏はダイナミックかつ迫力は十二分にある!
サウンドは重低音、高音も素晴らしいが
欲を言うならば、中音のドカンとくる迫力がほしい。

70年代の交響曲全集がゴージャスとすると
こちらはマイルドな感じがする。

小さな音で効くと
ステージからこっけう遠くで効いている感じがするので
ぜひ!この第九を聴くときは
大きなスピーカのオーディオで
デカイ音で聴いてほしい。
すると、あたかも響きの良いホールで聴いているかと
錯覚を覚える程の演奏である。

とにかく!このCDはコリオランの迫力と曲想が
非常に素晴らしい!

コリオランは、ハインリッヒ・ヨハン・コリン作の
5幕からなる悲劇「コリオラン」の為に書かれた序曲だが
劇のコリオランで実際に演奏された記録は無いとの事。

コリオランのあらすじは・・・

主人公コリオランは、古いローマの貴族の一門に生まれ
庶民の群と結託し、コリオラン自ら第一陣にたち
自分の味方に反旗をひるがえし出陣する。

しかし、母親の切な、いましめと懇願により
意をひるがえし改心するが
結局は庶民群の為に殺害される。
(属啓成著、ベートーベン作品編参照)

この曲、コリオランは
劇の内容と楽想が一分の隙もなく
ぴったりと合致するとの事だ!

その、ドラマチックな曲を
カラヤン、ベルリンフィルの最強オーケストラの演奏で
あたかも映画でも見ているような錯覚さえ覚える。

すでにコリオランを
5回程聴いてしまった。

仕事に疲れた体で少し休憩したいのだが
あと1回聴いたら休もうと思っても
さらにもう1回聴いてしまい
またまた、さらにもう1回聴いてしまう。

その演奏の迫力と繊細さに
取り付かれてしまうのではと思う程の
素晴らしい演奏だ!

このCDは
コリオランの名盤と言っても良いのではないか、と思う1枚である。

次回、CD27、ケンプ、ライトナー、ベルリンフィル/ベートーベン:ピアノ協奏曲4番&5番













2012年1月17日火曜日

CD25 ヨッフム「カルミナ・ブラーナ」

かの有名な曲からはじまるこのCD。
まるでオープニングの曲想と歌詞は平家物語の冒頭に通ずるものがある。

祗園精舎の鐘の声、
諸行無常の響きあり。
娑羅双樹の花の色、
盛者必衰の理をあらはす。
おごれる人も久しからず、
唯春の夜の夢のごとし。
たけき者も遂にはほろびぬ、

と、ほぼ同じような意味合いの歌詞の曲から始まる。

そして、俗世間の色恋事や
酒の席での愚にもつかない話。
人生の喜怒哀楽を歌ったこの曲は
最後にまたオープニングの曲にもどり
人生とは六道(地獄、餓鬼、畜生、修羅、人、天の6つの生命状態)を繰り返す
とでも言わんとばかりのフィナーレで終わる。

25曲、さまざまなシチュエーションの歌詞だが
その歌詞の雰囲気を音で良く表している。

そして、その雰囲気を演奏と歌が
感情豊かに表現している。

このCDの約1時間程の演奏で
人生を表現しているのだ!

なんともドラマチックなCDだろう!
劇的な音楽で幕が開け
そして劇的な最後で幕を閉じる。

なんだか、自分の人生を振り返り
今までの自分はこれで良いのだろうか?
と、考えさせられる
非常に説得力のある1枚である。

次回、CD26、カラヤン、ベルリンフィル/第九、コリオラン



偏に風の前の塵に同じ。

2012年1月16日月曜日

CD24 ホロヴィッツ・イン・モスクワ

このCDはとてもいいです!
ピアノ好きには、絶対におすすめです!

ホロヴィッツが、自分の心をそのまま音にしているかのような演奏!

決して押し付けがましい所がなく
自分がピアノを弾きたいから弾いてるだけ
とでもいうような演奏だ。

非常に繊細なタッチと、確かなテクニックの演奏なのだが
その技巧をまったく感じさせず
曲そのものを透明感あるサウンドで
聴く者を、曲の世界に没頭させてしまう
非常に素晴らしいCDである!

聴いているうちに
小説でも読んでいるかのような錯覚を覚える程の
ドラマ性を感じる演奏だ!

そして、音の強弱のコントラストの幅が大きいが
その弱音で時々弾く、高速フレーズが
水が流れるかのごとく、非常に美しい。

ホロヴィッツの演奏を例えるならば
まるで、ガスコンロでお湯をわかした時の水泡のような演奏だ。
強火ならば、大きな水泡がブクブクと激しくわき
弱火ならば、小さな水泡がプクプクと小さくわく。

そのお湯の水泡の様に
ホロヴィッツの演奏は
無限の強弱のコントラストで
内面を自由自在に音で表現できる
素晴らしい演奏家である!

このCDは、今後も何回も聴く事になるだろう。
ピアノ演奏のCDの中でも
私が最も好むCDとなるに違いない。

次回、CD25、ヨッフム「カルミナ・ブラーナ」






2012年1月13日金曜日

CD23 ヒラリー・ハーン/バッハ:ヴァイオリン協奏曲

ヒラリー・ハーンのバイオリンの音色の素晴らしい事!!
バイオリンという楽器を、完全に鳴らし切っている!

また、ジェフリー・カハーン指揮の
ロサンジェルス室内管弦楽団の
切れ味のよい、引き締まった演奏が
ヒラリーの演奏を引き立てる。

個人的に、バイオリン系の曲には
今まであまり興味がなかったが
このCDを聴いて、バイオリンのサウンドにも
興味をもてるようになった!

まるで、牧場に行った時に
絞り立ての特濃牛乳を初めて飲んだ時に
「市販の牛乳と比べて、こんなにまろやかで、密度の濃い味なんだ」
と、初めて感じた時のように
ヒラリー・ハーンのバイオリンの音色は密度が濃く
この音はヒラリーに違いないと感じさせる
個性的なバイオリンのサウンドがする!素晴らしい!

私はギターを弾くのだが
指先のテクニックは、鍛えればいくらでも上達するが
良い音色で、楽器のボディー全体を鳴らし切るというのは
良い指導者のアドバイスと
自身の努力、研究があってこそのサウンドなのだ!

また、ビブラートも音色に重要な要素で
うまくビブラートを使えると
音に粘りが出て、耳心地のよいサウンドになる。
そして、ビブラートは演奏者のサウンドの個性になる。

ギター演奏の経験から推測するに
ヒラリー・ハーンは、かなりの努力家であり
研究熱心であり、かつ、楽器へのこだわりを強く感じる。

そして、彼女はバイオリンを歌わせる事の出来る
非常に素晴らしい演奏者ということが
このCDでよくわかる!

私にとって、バッハの曲は聴いているうちに
飽きてしまう事がよくあるのだが
このCDは、ヒラリー・ハーンの音色だけでも
最後まで一気に聴かせてしまう
魅力あるCDである!!

次回、CD24、ホロヴィッツ・イン・モスクワ




2012年1月6日金曜日

CD22 グリモー&サロネン/クレド

まずは収録曲から。

コリリアーノ/オスティナートによるファンタジア
ベートーベン/テンペスト
ベートーベン/合唱幻想曲
ペルト/クレド

そして
オケ/スウェーデン放送交響楽団
合唱/スウェーデン放送合唱団
指揮/エサ=ベッカ・サロネン

1曲目の、オスティナートによるファンタジアの作者、コリリアーノは
アメリカ・ニューヨーク出身の作曲家であり、ニューヨーク音大の教授。
この曲、浮遊感のある曲だ。
鏡のような水面に、水滴がポタっと落ちた時のような
水の波紋を思わせるような、静寂を感じさせる曲想と演奏。

2曲目のテンペスト。
女性らしさを感じる演奏。
タメを効かした演奏が個性的。

3曲目の合唱幻想曲。
第九を思わせる様な曲。
荘厳より明るさを感じる。
オケの音が素晴らしい!!
途中、ピアノとオケがズレそうになるものの
なかなかの好演。
合唱も素晴らしい。

そして、エストニア出身の作曲家、アルヴォ・ペルトの曲、クレド。
はじめは荘厳な感じで始まるが、次第に和音が不協和音になり
そして、リズムをも崩壊させるかのような、破壊的な曲想になり
次第に、音楽が形へと復元され穏やかな曲想になり
最後に合唱の咆哮ともいうべき声のあと
超静かなピアノで消え入るように終わる。
なんとも不思議な感じの曲だ。

ちなみに「クレド」の意味はラテン語で信条。
名詞としての意味は、会社の社訓や心得などが書かれた
携帯できるカード状の物。

このCDは、デッカ移籍第1作目となるグリモーの信条を形にした
まさに「クレド」なCDなのである!

そして、グリモーは、地球という生命体は、皆つながっているのだ!
という事を、このCDの選曲で表したのではないかと思う。

変わった選曲のCDだが
強い強い決意と気合いを感じるCDである!

次回、CD23、ヒラリー・ハーン/バッハ:ヴァイオリン協奏曲





2011年12月31日土曜日

ブログ読者の皆様に感謝!

今年は本当に色々な事があった。

今、私は福島県に向かう車中で、ブログを書いている。

ここで、改めて、震災で被害を受けた方に、心からお見舞い申し上げます。
また、ご家族、ご親友を亡くされた方に、心からお悔やみ申し上げます。

私は、震災直後、銀座にあるライブハウスで、復興支援のため、チャリティーライブで演奏させていただき、微力ながら、支援させていただいた。

当初、街はまだ、震災の影響が甚大にあったが、ミュージシャンとして、お役にたつには、批判覚悟でも行動するしかない、と決意し、音楽仲間と共に、ライブをした。

そして、私事だが、私が勤めている会社が夏に火災で全焼した。
震災の不景気の中、追い討ちをかけて、経済的に崩壊寸前に追い込まれた。
会社は現在、なんとか、通常営業まで回復した。

火災の復旧中、長期の休暇を余儀なくされたが、その時に、グラモフォン、ボックスセットを知り、わずかなお小遣いを貯めて購入。
そして、内容の素晴らしさに感動し、大変に困難な状況の中
このブログを立ち上げた。

CD一枚事に感想を書くのは、けっこう大変で、なぜなら、それぞれのCDごと、作家、曲、奏者、録音年が違うので、音楽を聴いて、感じて、調べて、感想が文章として、形になるまで何回も聴く。

本当に、大変なブログを立ててしまったと、後悔した時もあったが、感想を書く事で、CDに携わった人達と、対話をしているかのような錯覚を感じる時がある。
そして、音楽を聴く、演奏する感性が、ハンパなく広がった!

毎日、一流の音楽と向き合っていると、多ジャンルの音楽の良し悪しも、ハッキリ分かってくる。

さらに、絵画などの良し悪しも、感じられるようになってきた。

来年は、音楽感想家として、さらに2つのブログを立ち上げる。

1つは、グラモフォン111年記念ボックスセットの黄箱の感想ブログ。
それは、このブログの赤箱の続編である。
この内容も、赤箱に負けない素晴らしい内容だ!

2つめは、ブリリアント、ベートーベン全曲集、85枚セットの感想ブログだ。
この内容も、非常に素晴らしい演奏、奏者、サウンド。
是非とも、感想を書きたい衝動にかられてしまった。

ベートーベン全曲のブログの準備は、着々と進めていて、先日、ベートーベンの生涯と、全ての作品解説を網羅した大著、属啓成(さっかけいせい)著『ベートーベン、作品編、生涯編』を入手。

ベートーベン好きは、絶対に入手すべし!
古書なので、値段も安い!

しかし!内容は他のベートーベン解説本の追随を許さない、圧倒的な解説と譜例で、非常に分かりやすく、楽しんで読める、音楽本としての大金字塔だ!

さらに、ミュージシャンとして、ライブ活動を、東京、銀座を拠点に行う!

もうすぐ目的の駅に到着。
気がつけば、外は真っ白な雪。
そろそろ、今年最後のブログを締めくくらねばならない。

このブログを読んで下さった方に、心から感謝申し上げます。

音楽感想家の駆け出しの、拙い文章をこれからも、皆さんが、あたかもCDを聴いたかのように思える感想が書けるように、感性と文章力に、磨きをかけて行きたいと決意しています。

皆さん、良いお年を!

2011年12月27日火曜日

CD21 ムジカ・アンティクワ・ケルン/バッヘルベル:カノン、その他


CDを再生した瞬間、あまりのサウンドのクリアーさに驚いた!

まるで、朝露が残るオレンジを
もぎ取った瞬間に口に入れたかのような
みずみずしいサウンドだ!

収録曲は
バッヘルベル:カノンとジーグ ニ長調
ヘンデル:トリオソナタOp5-4
ヴィヴァルディ:トリオソナタ第12番 ニ長調RV63
JSバッハ:管弦楽組曲第2番 ロ短調

バッヘルベルは、ドイツ・バロックのオルガン音楽の発展のうえで
バッハの先人として重要な人物。

ヘンデルは、バッハと並ぶ大音楽家。
バッハの教会音楽が多いのに対して
ヘンデルは劇場、公開演奏会の曲が多い。

ヴィヴァルディは、バッハに影響を与えた人物。

そう考えてみると
このCDは、バッハを中心としてのバロック時代の
音楽状況が1枚のCDでザックリと知る事ができる
資料的にも大変に素晴らしい内容だ。

そして、軽快なテンポとアタックを聴かせた演奏で
現在のバロック音楽演奏によくある「だるさ」が微塵もなく
CD全部を最初から最後まで一気に聴かせてしまう
演奏、音響ともに爽やかな音楽だ。

今まで、バロック時代の曲、とくにバッハの曲は
あまり感銘を受けなかったが
このCDのおかげで、バロック時代の曲を
もっと聴いてみたくなった1枚である!

初めてバロック時代の曲を聴く人に
絶対におすすめの1枚である!
大変に素晴らしい演奏!!

次回、CD22、グリモー&サロネン/クレド




2011年12月26日月曜日

CD20 ギレリス/ベートーベン:ワルトシュタイン・告別・情熱


ギレリスの演奏は、点をむすんで線にしたかのような
音の1つ1つが明確で、非常に素晴らしい演奏だ!

そして、ベートーベンの感情の起伏の激しさを
音でそのまま表現したようなCDである。

ベートーベンは、逆境にも負けない、意思の強い男らしさと
女性のような繊細で、恋に憧れる女性らしさが同居しているような人物だと思う。

1曲の中での、感情の起伏が極端に激しいベートーベンの曲を
ギレリスは見事に演奏しきっている。
また、細かいテクニカルな旋律が、見事に技術から芸術に昇華している!

ピアノのタッチが、繊細かつ大胆だが
まるで、繊細さは、木の葉から朝露がポツリと落ちるかのよう。
そして、大胆さは、巨大な鉄のハンマーで、大地をガンガンと叩くかのよう。
その、演奏のコントラストの差が、本当に素晴らしい!

サウンドも良い。
大きなスピーカーで、大きめのボリュームで聴くと
あたかもコンサートで、前の方で聴いているかのようだ。

それにしても、ベートーベンはいいなあ。
1人の人物が作曲したとは思えない程の
音楽の幅の広さとレパートリーなので
全集などを聴いても飽きがこない。
そして、なんだか、小説を読んでいるかのように
曲の中に、心の変化を物凄く感じて
聞き終わった時、自分の心の密度が濃くなるような気がする。

そのような曲と、曲の良さを最大に引き出す
ギレリスの力量があっての、素晴らしいCDである。

次回、CD21、ムジカ・アンティクワ・ケルン/バッヘルベル:カノン、その他





2011年12月21日水曜日

CD19 ガーディナー/モンテヴェルディ:聖母マリアの夕べの祈り パート2

前回のブログに続き、聖母マリアの夕べの祈り、2枚組のうちの2枚目である。

こちらも音響は大変に美しい。
サンマルコ寺院での録音で、その寺院の残響音の豊かさを
そのままパッケージし、なおかつ
それぞれの音がハッキリと聞き取れる
音響的にきわめて優れたCDだ!

歌が、まるで空気にとけ込んでしまうかのような
各パート、ソロの美しさは
心の汚れを洗い流してくれるかのような
雪よりのさらに白い色のような清らかさを感じる。

そして、器楽パートも素晴らしいアンサンブルで素晴らしい。

聴き進めてゆくうちに
音が右から、左から、手前から、奥から
色々な所から聞こえてきて
作曲当時、サンマルコ寺院特有の
ステレオ効果を演出できる設備を完全に活かし切った楽曲であり
その楽曲を、傷1つない、完璧に再現した演奏である!

このCDの録音風景の映像があるらしいが
ぜひ、そちらも見てみたい!と強く思ったCDである。

次回、CD20、ギレリス/ベートーベン:ワルトシュタイン・告別・情熱



2011年12月16日金曜日

CD18 ガーディナー/モンテヴェルディ:聖母マリアの夕べの祈り パート1


このCDは、2枚組のうちの1枚目である。
録音はサンマルコ寺院で録音されたものである。
モンテヴェルディは、サンマルコ寺院の楽長をしていた人物である。

その事をふまえて聴くべきアルバムなのだ!

このCDの曲は「晩課」とよばれるもので
教会で午後六時からの儀式に歌われる曲との話を聞いた事がある。

ルネサンスの時期の曲だからだろうか
汝よ、自己を悔い改めたまえ、といったような
自己の手の届かない物にすがるような雰囲気の曲ではなく
むしろ、今、生きている事に喜びを感じて何がわるいのか!
とても言っているかのような
まるで、生きている事だけで楽しい、という
楽天的なニュアンスを感じる。

音響的には非常に良い!

このCDは、ぜひ!大きなスピーカーで
ある程度の大きなボリュームで聴いていただきたい。

あたかも、自分がサンマルコ大聖堂で
この音楽を聴いているかのような感じに包まれるのだ!

私は、古楽的な曲はあまり興味がわかないのだが
録音された環境を、そのまま自宅にいながら
バーチャル体験が出来る現代の恵まれた環境に感謝したい!

CD19、ガーディナー/モンテヴェルディ:聖母マリアの夕べの祈り パート2





2011年12月14日水曜日

CD17 フルトヴェングラー&ベルリンフィル/シューマン:4番・ハイドン:88番「V字」


出ました!
フルトヴェングラー&BPOです!

録音年は、シューマンの4番は1953年、ハイドンの88番は1951年。

どちらの曲もモノラル録音だが、音質が非常によく
ベルリンフィルの、繊細で密度の濃い弦楽器群のサウンド!
管楽器群の、焼きたての瓦のような、いぶし銀を連想させるサウンド!
そして、打楽器群の地響きのような重低音がバランスよくミックスされた
まさに!フルトヴェングラーの、あの音が!
デジタルリマスターの高音質で登場だ!

フルトヴェングラーは、デジタルリマスターの
ベートーベン全集を聴いた事があるが
そのCDに、勝るとも劣らない作品である!

このハイドンの録音年の1951年といえば
フルヴェンのベートーベン9番の
バイロイト祝祭管の伝説的録音と重なる。

ベートーベンが指事したハイドン
ベートーベンに影響を受けただろうシューマンという
古典派とロマン派の2曲のカップリングというのも
なかなか渋い選曲だと思う。

演奏は、まるで自分の楽器を奏でるかのような
フルヴェンの自由自在なテンポ設定、強弱で
完全に曲を自分のモノにしている!
まるで、ピアノを弾いているかのように
完全にオケ全体を、自分の心のままに鳴らしているようだ!

シューマン4番。
音の迫力が凄まじい!
ジャンボジェット機が、自分に向かって飛んで来るかのような轟音が
ドカン!ドカン!と鳴り響き
そうかと思うと、寄せては返す波のような繊細な演奏。

この曲の1楽章を聴いていて思ったのが
曲の構造が、ベートーベンの運命の1楽章と似ている気がする。
同じフレーズを縦と横に組み合わせ
まるで巨大建築を建設するかのように
これでもか!と言わんばかりり
同じフレーズをガンガン繰り出して曲を作っている。

そして、ベートーベンの作風に
ロマン派のエッセンスをほんのりまぶした感じが
耳にここちよいのだ!

このCDはシューマン4番が、なにかと話題になるが
ハイドン88番も素晴らしい!

巨大な弦楽四重奏という雰囲気で始まり
軽快なオケの演奏でサラっと終わるのだが
弦楽器群の魅力が非常によく出ていて
BPO のサウンドの上品さがよく表現されている。
そして、全体的に切れの良いアンサンブルで
思わずノってきて体が動いてしまうかのようだ。

フルヴェン&BPOは、どのような曲も
一気に聴かせてしまう力をもっている、まさに!
ザ・オーケストラというべき演奏が非常に多い
素晴らしい演奏の数々だと改めて感じた1枚である。

次回、CD18、ガーディナー/モンテヴェルディ:聖母マリアの夕べの祈り パート1






2011年12月13日火曜日

CD16 フリッチャイ/ヴェルディ:レクイエム

この演奏は、本当に凄い!
まずは演奏のデータを!

マリア・シュターダ(ソプラノ)
マリアンナ・ラデフ(メゾ・ドプラノ)
ヘルムート・クレプス(テノール)
キム・ボイル(バス)
ベルリン聖へトヴィヒ大聖堂歌隊
RIAS室内合唱団
ベルリンRIAS交響楽団
指揮:フィレンツ・フリッチャイ
録音:モノラル・1953年9月22日〜26日・ベルリン

まず、CDをかけた直後、大砲の玉がぶっ飛んできたような音圧に驚いた!
モノラル録音特有の、音が一直線に体にぶつかってくるような感じだ。

そして、モノラルながら非常に音質が良い!
歌、合唱が前に出ていながらも、オケのド迫力が物凄い!
それでいて、全体の音のバランスが非常に良い!

さらに、低音の迫力が超、超凄すぎる!!!

CDを聴きながら、目の前に置いてある机に触れると
低音の振動がビシビシ伝わってくる程、もの凄い!
決して、音がモコモコと、こもった音質とは違う。

なんだか、ここまでの文章で、凄い!を連発しているが
普通の民家に住む私の部屋で、まともな音量で聴くと
家の外にの低音が響いてるのではないか?と思う程凄い!

しかし、中音、高音もしっかりと聞こえるのだ。
残響音を抑えた録音で、輪郭もわりとハッキリした音質で
トータル的に、非常に素晴らしい録音であり
なおかつ、低音マニアには絶対におすすめのCDだ!

楽曲は、イタリア・ロマン派最大の、歌劇の作曲家と言われる
ヴェルディだけに、レクイエムといえども
まるで、オペラか歌劇を聴いているのではないか
と思う程曲が劇的で情緒豊かなのだ!

また、歌手のソロも全員が非常に良い!
聴いているうちに、まるで舞台から一番近い真ん中の席で
本人が、今ここで歌っているかのように
錯覚してしまうほど良音で、歌っている姿が思い浮かぶかような
歌いっぷりだ!
(注:デジタル録音程、高音質かつクリアという意味ではない)

ビートルズのデジタルリマスターのモノラル版があるが
それと近い感覚の音の良さだ!

モノラルでも、演奏が良く、元々の録音が良く
さらに、デジタルリマスターのセンスが良いと
モノラルだろうが、ステレオだろうが
聴いていて、まったく遜色がない!という
よい例といえるCDである。

次回、CD17、フルトヴェングラー&ベルリンフィル/シューマン:4番・ハイドン:88番「V字」






2011年12月9日金曜日

CD15 フルニエ/J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲、4〜6

前回のブログに続き、フルニエによる
無伴奏チェロ組曲の4番〜6番のCDだ。

サウンドは抑えめの残響音で
チェロのボディーのサイズが想像できるような
ふくよかな音で、なおかつ高音質だ!

この組曲を聴き進めているうちに
チェロの弓を弾く瞬間の音に魅了されてきている。
楽器を弾くとき、弾きはじめの音はとても重要で
ある意味、弾き始めの音に奏者の個性が強く出るものだ。

フルニエの、時に繊細に、そして、時に強力な弾き始めは
まるで、多くの引き出しがある、大きなタンスのような演奏だ!

このCDの後半で、高音で弾くフレーズが出てくるが
まるで、バイオリンのような高音で
チェロで、ここまで幅広い音域の表現ができるのか!と
初めて知った。

チェロの魅力を、可能な限りに引き出す曲を作ったバッハも凄いが
その曲を、情緒豊かに弾き切るフルニエのテクニックと感性も
超の付く、一流の奏者だと改めて感じた
2枚組の「6っつの無伴奏チェロ組曲」である。

次回、CD16、フリッチャイ/ヴェルディ:レクイエム



2011年12月7日水曜日

CD14 フルニエ/J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲、1〜3

無伴奏チェロ組曲とは、どのような音楽か?と
このボックスセットを買った時から非常に興味があったCDだ。
基本的に単音で旋律を奏でるチェロだけで
組曲が成り立つのか?と。

そのように思いながら、CDを鳴らしてみた。

見事にチェロ1本だけで美しい旋律を奏でている!
そして、時々和音を入れながら
伴奏があるかのように
コード進行感を感じる旋律である。
さすが!バッハ!

曲を聴き進めてゆくと
だんだんチェロの技術的が必要なのではないか
と思うようなフレーズが出てくる。
そのような演奏でもフルニエの演奏は
常に「心」を感じる。

サウンドは抑えめの残響音で
チェロのボディーの大きさを感じられるような
ふくよかで、なおかつハッキリした高音質だ!

さらに聴き進めてゆくと
まるで、弦楽四重奏を聴いているかのような
非常に広がりのある演奏になってゆく。

私は、作曲をする際に
曲中にギターソロを入れるのだが
ギターソロのフレーズを考える時
単音のフレーズでも伴奏のコードを感じるような
フレーズ作りを心がけているが
このCDで、楽器のソロのフレーズのセンスを学んだ。

そして、かなわぬ夢なのだが
このCDを、いつか暖炉のある部屋の
木製の大きなイスに座り
パイプでタバコを吸いながら
聴きたいものだ!

次回、CD14、フルニエ/J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲、4〜6

2011年12月5日月曜日

CD13 フィッシャー=ディースカウ&ムーア/シューベルト:冬の旅

1曲目の歌の出だしを聴いて
現在のポピュラーソングに近いと感じた。
現代人の感性に、ダイレクトに飛び込んでくる歌曲だと思う。

以前、日本の歌謡曲の歴史の本を読んだ事があるが
その文中に、日本の歌謡曲はシューベルトに影響を受けているのでは
との見解があったが、その事をこのCDを聴いて実感した。

シューベルトの「冬の旅」が発表されたのは1827年。
その時、日本は江戸時代で
「冬の旅」の発表の前年の1826年に
シーボルトが江戸にピアノを持参している。
もしかしたら・・・
そのピアノで「冬の旅」を江戸時代の誰かが演奏したのかもしれない
と想像すると、なんだか歴史のロマンが膨らむのだ。

さて、このCDの感想だが
非常に良い!

ディースカウの感情移入が程よい歌唱と
ムーアの抑揚の効いたピアノ演奏が
同じ歩調で、同じ道を歩いてるかのような
どちらか一方が欠けても成り立たない
一心同体の演奏だ!


まるで、刺身と醤油のような関係だ。
刺身と醤油は、別々に味わったら
当然の事ながら、刺身は刺身の味、醤油は醤油の味のみだが
刺身を醤油に付けて食べると
お互いの味を極限まで引き立て合うように
歌とピアノが、お互いの演奏を引き立て合い
曲が持っている、心の僅かな振動をも
非常に素晴らしい演奏で表現している。

「冬の歌」を冬に聴けて良かった!
寒風の中、恋人にフラれて
この世界に、こんなに悲しい気持ちなのは
自分一人だけなのだ、という
初恋に破れた時のような
どこまでも澄んだ水の冷たさのような寂しさを
バーチャル体験できるからだ!

このCDを、外で歩きながら、寒さに震えて聴きたい。
そして、さらにこのCDの歌曲の心に迫ってみたい。

次回、CD14、フルニエ/J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲、1〜3