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2011年12月31日土曜日

ブログ読者の皆様に感謝!

今年は本当に色々な事があった。

今、私は福島県に向かう車中で、ブログを書いている。

ここで、改めて、震災で被害を受けた方に、心からお見舞い申し上げます。
また、ご家族、ご親友を亡くされた方に、心からお悔やみ申し上げます。

私は、震災直後、銀座にあるライブハウスで、復興支援のため、チャリティーライブで演奏させていただき、微力ながら、支援させていただいた。

当初、街はまだ、震災の影響が甚大にあったが、ミュージシャンとして、お役にたつには、批判覚悟でも行動するしかない、と決意し、音楽仲間と共に、ライブをした。

そして、私事だが、私が勤めている会社が夏に火災で全焼した。
震災の不景気の中、追い討ちをかけて、経済的に崩壊寸前に追い込まれた。
会社は現在、なんとか、通常営業まで回復した。

火災の復旧中、長期の休暇を余儀なくされたが、その時に、グラモフォン、ボックスセットを知り、わずかなお小遣いを貯めて購入。
そして、内容の素晴らしさに感動し、大変に困難な状況の中
このブログを立ち上げた。

CD一枚事に感想を書くのは、けっこう大変で、なぜなら、それぞれのCDごと、作家、曲、奏者、録音年が違うので、音楽を聴いて、感じて、調べて、感想が文章として、形になるまで何回も聴く。

本当に、大変なブログを立ててしまったと、後悔した時もあったが、感想を書く事で、CDに携わった人達と、対話をしているかのような錯覚を感じる時がある。
そして、音楽を聴く、演奏する感性が、ハンパなく広がった!

毎日、一流の音楽と向き合っていると、多ジャンルの音楽の良し悪しも、ハッキリ分かってくる。

さらに、絵画などの良し悪しも、感じられるようになってきた。

来年は、音楽感想家として、さらに2つのブログを立ち上げる。

1つは、グラモフォン111年記念ボックスセットの黄箱の感想ブログ。
それは、このブログの赤箱の続編である。
この内容も、赤箱に負けない素晴らしい内容だ!

2つめは、ブリリアント、ベートーベン全曲集、85枚セットの感想ブログだ。
この内容も、非常に素晴らしい演奏、奏者、サウンド。
是非とも、感想を書きたい衝動にかられてしまった。

ベートーベン全曲のブログの準備は、着々と進めていて、先日、ベートーベンの生涯と、全ての作品解説を網羅した大著、属啓成(さっかけいせい)著『ベートーベン、作品編、生涯編』を入手。

ベートーベン好きは、絶対に入手すべし!
古書なので、値段も安い!

しかし!内容は他のベートーベン解説本の追随を許さない、圧倒的な解説と譜例で、非常に分かりやすく、楽しんで読める、音楽本としての大金字塔だ!

さらに、ミュージシャンとして、ライブ活動を、東京、銀座を拠点に行う!

もうすぐ目的の駅に到着。
気がつけば、外は真っ白な雪。
そろそろ、今年最後のブログを締めくくらねばならない。

このブログを読んで下さった方に、心から感謝申し上げます。

音楽感想家の駆け出しの、拙い文章をこれからも、皆さんが、あたかもCDを聴いたかのように思える感想が書けるように、感性と文章力に、磨きをかけて行きたいと決意しています。

皆さん、良いお年を!

2011年12月27日火曜日

CD21 ムジカ・アンティクワ・ケルン/バッヘルベル:カノン、その他


CDを再生した瞬間、あまりのサウンドのクリアーさに驚いた!

まるで、朝露が残るオレンジを
もぎ取った瞬間に口に入れたかのような
みずみずしいサウンドだ!

収録曲は
バッヘルベル:カノンとジーグ ニ長調
ヘンデル:トリオソナタOp5-4
ヴィヴァルディ:トリオソナタ第12番 ニ長調RV63
JSバッハ:管弦楽組曲第2番 ロ短調

バッヘルベルは、ドイツ・バロックのオルガン音楽の発展のうえで
バッハの先人として重要な人物。

ヘンデルは、バッハと並ぶ大音楽家。
バッハの教会音楽が多いのに対して
ヘンデルは劇場、公開演奏会の曲が多い。

ヴィヴァルディは、バッハに影響を与えた人物。

そう考えてみると
このCDは、バッハを中心としてのバロック時代の
音楽状況が1枚のCDでザックリと知る事ができる
資料的にも大変に素晴らしい内容だ。

そして、軽快なテンポとアタックを聴かせた演奏で
現在のバロック音楽演奏によくある「だるさ」が微塵もなく
CD全部を最初から最後まで一気に聴かせてしまう
演奏、音響ともに爽やかな音楽だ。

今まで、バロック時代の曲、とくにバッハの曲は
あまり感銘を受けなかったが
このCDのおかげで、バロック時代の曲を
もっと聴いてみたくなった1枚である!

初めてバロック時代の曲を聴く人に
絶対におすすめの1枚である!
大変に素晴らしい演奏!!

次回、CD22、グリモー&サロネン/クレド




2011年12月26日月曜日

CD20 ギレリス/ベートーベン:ワルトシュタイン・告別・情熱


ギレリスの演奏は、点をむすんで線にしたかのような
音の1つ1つが明確で、非常に素晴らしい演奏だ!

そして、ベートーベンの感情の起伏の激しさを
音でそのまま表現したようなCDである。

ベートーベンは、逆境にも負けない、意思の強い男らしさと
女性のような繊細で、恋に憧れる女性らしさが同居しているような人物だと思う。

1曲の中での、感情の起伏が極端に激しいベートーベンの曲を
ギレリスは見事に演奏しきっている。
また、細かいテクニカルな旋律が、見事に技術から芸術に昇華している!

ピアノのタッチが、繊細かつ大胆だが
まるで、繊細さは、木の葉から朝露がポツリと落ちるかのよう。
そして、大胆さは、巨大な鉄のハンマーで、大地をガンガンと叩くかのよう。
その、演奏のコントラストの差が、本当に素晴らしい!

サウンドも良い。
大きなスピーカーで、大きめのボリュームで聴くと
あたかもコンサートで、前の方で聴いているかのようだ。

それにしても、ベートーベンはいいなあ。
1人の人物が作曲したとは思えない程の
音楽の幅の広さとレパートリーなので
全集などを聴いても飽きがこない。
そして、なんだか、小説を読んでいるかのように
曲の中に、心の変化を物凄く感じて
聞き終わった時、自分の心の密度が濃くなるような気がする。

そのような曲と、曲の良さを最大に引き出す
ギレリスの力量があっての、素晴らしいCDである。

次回、CD21、ムジカ・アンティクワ・ケルン/バッヘルベル:カノン、その他





2011年12月21日水曜日

CD19 ガーディナー/モンテヴェルディ:聖母マリアの夕べの祈り パート2

前回のブログに続き、聖母マリアの夕べの祈り、2枚組のうちの2枚目である。

こちらも音響は大変に美しい。
サンマルコ寺院での録音で、その寺院の残響音の豊かさを
そのままパッケージし、なおかつ
それぞれの音がハッキリと聞き取れる
音響的にきわめて優れたCDだ!

歌が、まるで空気にとけ込んでしまうかのような
各パート、ソロの美しさは
心の汚れを洗い流してくれるかのような
雪よりのさらに白い色のような清らかさを感じる。

そして、器楽パートも素晴らしいアンサンブルで素晴らしい。

聴き進めてゆくうちに
音が右から、左から、手前から、奥から
色々な所から聞こえてきて
作曲当時、サンマルコ寺院特有の
ステレオ効果を演出できる設備を完全に活かし切った楽曲であり
その楽曲を、傷1つない、完璧に再現した演奏である!

このCDの録音風景の映像があるらしいが
ぜひ、そちらも見てみたい!と強く思ったCDである。

次回、CD20、ギレリス/ベートーベン:ワルトシュタイン・告別・情熱



2011年12月16日金曜日

CD18 ガーディナー/モンテヴェルディ:聖母マリアの夕べの祈り パート1


このCDは、2枚組のうちの1枚目である。
録音はサンマルコ寺院で録音されたものである。
モンテヴェルディは、サンマルコ寺院の楽長をしていた人物である。

その事をふまえて聴くべきアルバムなのだ!

このCDの曲は「晩課」とよばれるもので
教会で午後六時からの儀式に歌われる曲との話を聞いた事がある。

ルネサンスの時期の曲だからだろうか
汝よ、自己を悔い改めたまえ、といったような
自己の手の届かない物にすがるような雰囲気の曲ではなく
むしろ、今、生きている事に喜びを感じて何がわるいのか!
とても言っているかのような
まるで、生きている事だけで楽しい、という
楽天的なニュアンスを感じる。

音響的には非常に良い!

このCDは、ぜひ!大きなスピーカーで
ある程度の大きなボリュームで聴いていただきたい。

あたかも、自分がサンマルコ大聖堂で
この音楽を聴いているかのような感じに包まれるのだ!

私は、古楽的な曲はあまり興味がわかないのだが
録音された環境を、そのまま自宅にいながら
バーチャル体験が出来る現代の恵まれた環境に感謝したい!

CD19、ガーディナー/モンテヴェルディ:聖母マリアの夕べの祈り パート2





2011年12月14日水曜日

CD17 フルトヴェングラー&ベルリンフィル/シューマン:4番・ハイドン:88番「V字」


出ました!
フルトヴェングラー&BPOです!

録音年は、シューマンの4番は1953年、ハイドンの88番は1951年。

どちらの曲もモノラル録音だが、音質が非常によく
ベルリンフィルの、繊細で密度の濃い弦楽器群のサウンド!
管楽器群の、焼きたての瓦のような、いぶし銀を連想させるサウンド!
そして、打楽器群の地響きのような重低音がバランスよくミックスされた
まさに!フルトヴェングラーの、あの音が!
デジタルリマスターの高音質で登場だ!

フルトヴェングラーは、デジタルリマスターの
ベートーベン全集を聴いた事があるが
そのCDに、勝るとも劣らない作品である!

このハイドンの録音年の1951年といえば
フルヴェンのベートーベン9番の
バイロイト祝祭管の伝説的録音と重なる。

ベートーベンが指事したハイドン
ベートーベンに影響を受けただろうシューマンという
古典派とロマン派の2曲のカップリングというのも
なかなか渋い選曲だと思う。

演奏は、まるで自分の楽器を奏でるかのような
フルヴェンの自由自在なテンポ設定、強弱で
完全に曲を自分のモノにしている!
まるで、ピアノを弾いているかのように
完全にオケ全体を、自分の心のままに鳴らしているようだ!

シューマン4番。
音の迫力が凄まじい!
ジャンボジェット機が、自分に向かって飛んで来るかのような轟音が
ドカン!ドカン!と鳴り響き
そうかと思うと、寄せては返す波のような繊細な演奏。

この曲の1楽章を聴いていて思ったのが
曲の構造が、ベートーベンの運命の1楽章と似ている気がする。
同じフレーズを縦と横に組み合わせ
まるで巨大建築を建設するかのように
これでもか!と言わんばかりり
同じフレーズをガンガン繰り出して曲を作っている。

そして、ベートーベンの作風に
ロマン派のエッセンスをほんのりまぶした感じが
耳にここちよいのだ!

このCDはシューマン4番が、なにかと話題になるが
ハイドン88番も素晴らしい!

巨大な弦楽四重奏という雰囲気で始まり
軽快なオケの演奏でサラっと終わるのだが
弦楽器群の魅力が非常によく出ていて
BPO のサウンドの上品さがよく表現されている。
そして、全体的に切れの良いアンサンブルで
思わずノってきて体が動いてしまうかのようだ。

フルヴェン&BPOは、どのような曲も
一気に聴かせてしまう力をもっている、まさに!
ザ・オーケストラというべき演奏が非常に多い
素晴らしい演奏の数々だと改めて感じた1枚である。

次回、CD18、ガーディナー/モンテヴェルディ:聖母マリアの夕べの祈り パート1






2011年12月13日火曜日

CD16 フリッチャイ/ヴェルディ:レクイエム

この演奏は、本当に凄い!
まずは演奏のデータを!

マリア・シュターダ(ソプラノ)
マリアンナ・ラデフ(メゾ・ドプラノ)
ヘルムート・クレプス(テノール)
キム・ボイル(バス)
ベルリン聖へトヴィヒ大聖堂歌隊
RIAS室内合唱団
ベルリンRIAS交響楽団
指揮:フィレンツ・フリッチャイ
録音:モノラル・1953年9月22日〜26日・ベルリン

まず、CDをかけた直後、大砲の玉がぶっ飛んできたような音圧に驚いた!
モノラル録音特有の、音が一直線に体にぶつかってくるような感じだ。

そして、モノラルながら非常に音質が良い!
歌、合唱が前に出ていながらも、オケのド迫力が物凄い!
それでいて、全体の音のバランスが非常に良い!

さらに、低音の迫力が超、超凄すぎる!!!

CDを聴きながら、目の前に置いてある机に触れると
低音の振動がビシビシ伝わってくる程、もの凄い!
決して、音がモコモコと、こもった音質とは違う。

なんだか、ここまでの文章で、凄い!を連発しているが
普通の民家に住む私の部屋で、まともな音量で聴くと
家の外にの低音が響いてるのではないか?と思う程凄い!

しかし、中音、高音もしっかりと聞こえるのだ。
残響音を抑えた録音で、輪郭もわりとハッキリした音質で
トータル的に、非常に素晴らしい録音であり
なおかつ、低音マニアには絶対におすすめのCDだ!

楽曲は、イタリア・ロマン派最大の、歌劇の作曲家と言われる
ヴェルディだけに、レクイエムといえども
まるで、オペラか歌劇を聴いているのではないか
と思う程曲が劇的で情緒豊かなのだ!

また、歌手のソロも全員が非常に良い!
聴いているうちに、まるで舞台から一番近い真ん中の席で
本人が、今ここで歌っているかのように
錯覚してしまうほど良音で、歌っている姿が思い浮かぶかような
歌いっぷりだ!
(注:デジタル録音程、高音質かつクリアという意味ではない)

ビートルズのデジタルリマスターのモノラル版があるが
それと近い感覚の音の良さだ!

モノラルでも、演奏が良く、元々の録音が良く
さらに、デジタルリマスターのセンスが良いと
モノラルだろうが、ステレオだろうが
聴いていて、まったく遜色がない!という
よい例といえるCDである。

次回、CD17、フルトヴェングラー&ベルリンフィル/シューマン:4番・ハイドン:88番「V字」






2011年12月9日金曜日

CD15 フルニエ/J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲、4〜6

前回のブログに続き、フルニエによる
無伴奏チェロ組曲の4番〜6番のCDだ。

サウンドは抑えめの残響音で
チェロのボディーのサイズが想像できるような
ふくよかな音で、なおかつ高音質だ!

この組曲を聴き進めているうちに
チェロの弓を弾く瞬間の音に魅了されてきている。
楽器を弾くとき、弾きはじめの音はとても重要で
ある意味、弾き始めの音に奏者の個性が強く出るものだ。

フルニエの、時に繊細に、そして、時に強力な弾き始めは
まるで、多くの引き出しがある、大きなタンスのような演奏だ!

このCDの後半で、高音で弾くフレーズが出てくるが
まるで、バイオリンのような高音で
チェロで、ここまで幅広い音域の表現ができるのか!と
初めて知った。

チェロの魅力を、可能な限りに引き出す曲を作ったバッハも凄いが
その曲を、情緒豊かに弾き切るフルニエのテクニックと感性も
超の付く、一流の奏者だと改めて感じた
2枚組の「6っつの無伴奏チェロ組曲」である。

次回、CD16、フリッチャイ/ヴェルディ:レクイエム



2011年12月7日水曜日

CD14 フルニエ/J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲、1〜3

無伴奏チェロ組曲とは、どのような音楽か?と
このボックスセットを買った時から非常に興味があったCDだ。
基本的に単音で旋律を奏でるチェロだけで
組曲が成り立つのか?と。

そのように思いながら、CDを鳴らしてみた。

見事にチェロ1本だけで美しい旋律を奏でている!
そして、時々和音を入れながら
伴奏があるかのように
コード進行感を感じる旋律である。
さすが!バッハ!

曲を聴き進めてゆくと
だんだんチェロの技術的が必要なのではないか
と思うようなフレーズが出てくる。
そのような演奏でもフルニエの演奏は
常に「心」を感じる。

サウンドは抑えめの残響音で
チェロのボディーの大きさを感じられるような
ふくよかで、なおかつハッキリした高音質だ!

さらに聴き進めてゆくと
まるで、弦楽四重奏を聴いているかのような
非常に広がりのある演奏になってゆく。

私は、作曲をする際に
曲中にギターソロを入れるのだが
ギターソロのフレーズを考える時
単音のフレーズでも伴奏のコードを感じるような
フレーズ作りを心がけているが
このCDで、楽器のソロのフレーズのセンスを学んだ。

そして、かなわぬ夢なのだが
このCDを、いつか暖炉のある部屋の
木製の大きなイスに座り
パイプでタバコを吸いながら
聴きたいものだ!

次回、CD14、フルニエ/J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲、4〜6

2011年12月5日月曜日

CD13 フィッシャー=ディースカウ&ムーア/シューベルト:冬の旅

1曲目の歌の出だしを聴いて
現在のポピュラーソングに近いと感じた。
現代人の感性に、ダイレクトに飛び込んでくる歌曲だと思う。

以前、日本の歌謡曲の歴史の本を読んだ事があるが
その文中に、日本の歌謡曲はシューベルトに影響を受けているのでは
との見解があったが、その事をこのCDを聴いて実感した。

シューベルトの「冬の旅」が発表されたのは1827年。
その時、日本は江戸時代で
「冬の旅」の発表の前年の1826年に
シーボルトが江戸にピアノを持参している。
もしかしたら・・・
そのピアノで「冬の旅」を江戸時代の誰かが演奏したのかもしれない
と想像すると、なんだか歴史のロマンが膨らむのだ。

さて、このCDの感想だが
非常に良い!

ディースカウの感情移入が程よい歌唱と
ムーアの抑揚の効いたピアノ演奏が
同じ歩調で、同じ道を歩いてるかのような
どちらか一方が欠けても成り立たない
一心同体の演奏だ!


まるで、刺身と醤油のような関係だ。
刺身と醤油は、別々に味わったら
当然の事ながら、刺身は刺身の味、醤油は醤油の味のみだが
刺身を醤油に付けて食べると
お互いの味を極限まで引き立て合うように
歌とピアノが、お互いの演奏を引き立て合い
曲が持っている、心の僅かな振動をも
非常に素晴らしい演奏で表現している。

「冬の歌」を冬に聴けて良かった!
寒風の中、恋人にフラれて
この世界に、こんなに悲しい気持ちなのは
自分一人だけなのだ、という
初恋に破れた時のような
どこまでも澄んだ水の冷たさのような寂しさを
バーチャル体験できるからだ!

このCDを、外で歩きながら、寒さに震えて聴きたい。
そして、さらにこのCDの歌曲の心に迫ってみたい。

次回、CD14、フルニエ/J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲、1〜3









2011年12月1日木曜日

CD12 エマーソン・カルテット/バッハ:フーガの技法

弦楽四重奏のフーガの技法だ。

チェンバロの曲として書かれたらしいが
オープンスコアのため、さまざまな楽器で演奏してよい
との解釈から色々な音源がある。
私は、フーガの技法を聴くのは、このCDが初めて。

このCD、聴き方を失敗してしまった!

私は作曲をするのだが
音楽の理論的な興味がフツフツとわきすぎて
聴く前にフーガの概念を調べすぎてしまい
音の構成を聴く方に重点を置いてしまった。

なので、聴き疲れしてしまって
しばらくの期間、音楽的な感想が湧いてこなかった。

しかし!頭を切り替えて
音楽として純粋に聴いてみた。
そしたら、見えてきたぞ!

フレーズとフレーズが美しく交差する
高級な布生地のような音楽だ!

また、バッハが自身の晩年を荘厳するかのような
巨大で古い西洋の城を、下から見上げているような感覚になる演奏だ!

サウンドは良い!
残響音が適度にあり、それでいて各楽器がハッキリと聞こえる。
そして、弦楽四重奏なので、フーガの音の構成が聴いていてよく解る。

このCDを聴いて感じた事は
自作の曲のアレンジにも、フーガの技法を使ってみようと思った。
そして、しばらく期間をあけて、改めて聞こうと思う。
そうする事で、楽理的な聴き方ではなく
純粋に、音楽として、楽しんで聴けると思う。

次回、CD13、フィッシャー=ディースカウ&ムーア/シューベルト:冬の旅


2011年11月28日月曜日

CD11 ドウダメル&シモン・ボリバル・ユース・オーケストラ・オブ・ベネスエラ/マーラー5番


私にとってベネスエラは、超リズム大国という印象がある。

ホローポという、ベネスエラ地域の民族音楽があるが
もの凄いリズム感と、リズムのアンサンブルの組み合わの音楽だ。

その音楽で、マラカス、カホンを使う。
その、マラカスとカホンの奏法を見よう見まねで練習した経験がある。

特に、マラカスのテクニックは
世界随一を誇る圧倒的な技術とパフォーマンスで
度肝を抜くマラカス奏者がいるのだ!
ベネスエラの人のリズム感は
世界でトップクラスと言っても過言ではあるまい!

その、ベネズエラが誇るオーケストラと指揮者の演奏が、このCDだ!

このオケは、中高生から20代後半までのメンバーで構成されている。

ベネスエラには「エル・システマ」という
ベネスエラ政府の資金や寄付で運営する
クラシック音楽の教育制度がある。

この音楽教育制度は、放課後に子供たちを音楽に従事させて
青少年を犯罪から更正させ、また、犯罪から守る役割を果たす。

その制度による、200の青年オケがあり
その中から選抜されたメンバーで構成されているオケが
シモン・ボリバル・ユース・オーケストラ・オブ・ベネスエラだ!
その指揮者のドウダメルも、「エル・システマ」で学んだ若き指揮者だ!

さて、CDの感想だが・・・
一音も見落とさない、非常に丁寧かつ、精巧であり、大胆で
輪郭のくっきりとしたマーラーだ!
まるで、大江戸博物館にある、精巧に作られた
江戸の町の巨大なジオラマのように
大所帯のオケが、精巧なフレーズの組み合わせで
巨大かつ精巧な交響曲を作り上げている!

このCDを聴く前、正直なところ
「若いオケに、マーラーは表現できるのだろうか?」と
疑問を感じていたが、とんでもない先入観だと反省した。
青年の熱と力と、純粋さとまっすぐさで
体当たりでマーラー5番と戦った結果が、音にしっかりと表現されている。

マーラーの交響曲の楽しみの一つは
音が、聞こえるか、聞こえないかという部分を
どのように表現するか、というのがあるが
その、ギリギリ聞こえる感も、非常に素晴らしい!
サウンドも非常に良く、左右の楽器の振り分けが楽しめるCDだ。

本来、このブログはCDの感想だが
ぜひ!皆さんに、このオケの動画を見る事を強く勧める!

青年達が、自ら望んで音をだしている喜びが
ビシビシ伝わってくる!
そして、演奏しながら、歌いながら、
楽団員の体が自然と揺れてくる。

指揮者も、その姿を自身の喜びと楽しみにして、全て受け止めている。
そして、演奏が終わると
観客の鳴り止まない拍手と大歓声が、ずーーーと続くのだ!

YouTubeで見た映像は、二人の女性歌手と合唱団とオケの演奏。
曲が終わるとき、女性歌手も、オケのメンバーも
感動の涙を流しているのだ。
私も、一緒に涙を流してしまった。

このCDは、青年の無限の可能性への挑戦と
それに打ち勝つ姿が凝縮されている。

そして、青年が、自身の可能性と力を
思う存分発揮できる世の中を作り
青年を全力で応援し、支えてゆく事が
私達、大人の役割だと感じる。

それが、社会、世界全体の進歩なのだと思う。

次回、CD12、エマーソン・カルテット/フーガの技法












2011年11月24日木曜日

CD10 ドミンゴ&ジュリーニ/オペラ・ガラ

三大テノールの一人、ブラシド・ドミンゴと
カルロ・マリア・ジュリーニの競演のオペラ・ガラだ!

オケと歌の、呼吸のあった好演だ!
ボーカルをガツンと全面に出した録音で
ドミンゴの歌をたっぷりと堪能できる。

オペラの曲をちゃんと聴くのは今回が初めて。
まず、ドミンゴの声のパワーが凄い!

オケのボリュームに、ステレオの音量を合わせると
苦情がくるのではないか!と思うくらい声がでデカい!
録音のバランスで声がデカい、というだけではなく
多分、本当に凄い声量なんだと思う。
それが、このCDで伝わってくる。
まるで、宇宙戦艦ヤマトの波動砲のようなパワーだ!

芯がドンとあり、ハリのある声質。
また、8曲目の、高音で歌うフレーズが、非常に美しい声質で驚きだ!

ロサンジェルス・フィルも
虫メガネで小さな物を観察するかのように繊細な演奏で
歌をしっかりとサポートしている。
そして、歌の言葉は解らなくても、オケの演奏を聴いていると
歌の感情がさらに膨らんで心にスッと入ってくる感じがする。

あと、これはクラシック通の方からは笑われそうなんだが
このCDのロス・フィルの音が、ドイツ風なサウンドの様に聞こえる。
なんとなく素朴さを感じるような
色で例えると、くすんだメタリック・ブラックのようなサウンド。
以前にエリー・ナイの後期録音集を聴いたのだが
それにベートーベンのピアノ協奏曲があり
そのオケのサウンドに近い感じがするのだ。
これは、本当に感覚的な感想なのだが・・・。

聴けば聴く程に、非常に情熱的な感情がビシビシと伝わってくる。
いつか、オペラの映像も見てみたい!と心から思えるCDである。

次回、CD11、ドウダメル&ベネズエラ・シモン・ボリバル・ユース・オーケストラ/マーラー5番














2011年11月21日月曜日

CD9 カルミニョーラ/ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲


壮快な演奏で、非常に素晴らしい!!

楽譜とは、まさに!タイムカプセルという事を実感!
ヴィヴァルディは、自分の死後278年後の未来に
自分の音楽が聴かれると想像してたか!
そして、ファーイーストの日本で、曲が聴かれて
感動している人間がいると想像しただろうか!

さて、このCD。
まるで、時には優しく、時には激しく吹く春風のような、清々しい演奏だ!
サウンドも、残響音がけっこうあるのだが、けっして楽器の音を邪魔せず
アンサンブルがちゃんと聞こえる、音響的センスの良さを感じる上質なリバーブだ!

1曲目の冒頭から、不意打ちをくらった!
エレキギターの早弾きが好きな私にとって
カルミニョーラのバイオリンの絶頂テクニックに圧倒されてしまった!
まるで、バイオリン界のデラ・ヴェガか!
(注:デラ・ヴェガはハードロック・ギター界で現時点で世界最速のスピード・ギター・プレイヤーだ!)

そして、ヴェニス・バロック・オーケストラの何ともキラビやかな音!
小編成ながらも、時にはオーケストラのような迫力と突進力!

あれ?聴いているうちに、チェンバロや、ギターの様な弦楽器の音が聞こえる。

あっ!これは古楽器の演奏ではないか?!
よくよく聴いてみると、ビブラートがほとんどかかっていない。

色々なクラシック記事を読むと、古楽器演奏に対して、時々目にする意見は
モダン楽器で古楽器奏法をしている演奏が多く、非常にけしからん!
との話を読み、古楽器奏法に対して、あまり良くない偏見を持ってしまっていた。

しかし!そんな偏見は一瞬のうちに吹き飛んでしまった!
各楽器のサウンドが解け合って、清流のような透明感と
決めるところはビシっと決める歯切れの良さ。

このCDは、相当な楽器へのこだわりと、古楽器の奏法に対する徹底ぶりとの事。
詳しくは、他のレビューや記事を、ぜひ!読んでいただきたい!

装飾音も見事に表現されている、との事だが
装飾音に関して、以前に本で読んだ事がある。
装飾音というパターン化されたフレーズと
そのフレーズを表す記号があるとの事だ。
このCDのバイオリンの演奏の、フレーズの細かさは
その装飾音のモノなのか?

このCDに納められている5曲は、世界初録音との事。
ヴィヴァルディは「四季」しか聴いた事のない私にとって
以前に何回も録音されている有名な曲も、初試聴なのだが
このCDは忘れがたい1枚になりそうだ!

歌をビブラート無しで歌い、感動させるのが至難な事のように
カルミニョーラのバイオリンは、若干ビブラートはあるものの
ビブラートに逃げず、どこまでも旋律とサウンドで勝負している。
そして、抑揚と硬軟が効いた演奏で、聴いている人の心にそっと入ってくる。

この録音にたずさわったアーティストの
音楽力の高さを感じる1枚である!

次回、CD10、ドミンゴ&ジュリーニ/オペラ・ガラ






2011年11月16日水曜日

CD8 ブーレーズ&クリーヴランド管弦楽団/ストラヴィンスキー:ペトルーシュカ、春の祭典


若干、控えめな指揮というか、おしとやかな雰囲気を感じるCDである。
曲順は、ペトルーシュカに始まり、春の祭典と続く。

ペトルーシュカは、バレエのストーリーが目に浮かぶような
イキイキとした演奏だ。
市場の喧噪、魔術師の登場。ペトルーシュカの愛、怒り、悲愁などの感情。
バレリーナ、ムーア人の感情を、上品に表現している感じで
まずまずの好演だと感じた。

そして、春の祭典・・・。

この曲、実は5回、6回、7回と聴きました。

その理由は・・・

感想が湧いてくるような、音楽的な感動が見つからなかったからです!!

なので、曲のストーリーなどをしっかり読んで
何回か聴いているうちに、何か感じる部分が見えてくると思い
忍耐力を最強モードにして聴き込みました。

しかし!これは困った!感想が出てこないのだ!

この曲は、どのような音楽アンテナで聴けばいいか、ぜんぜんつかめなくて
何回も、何回も聴いてしまいました。

そしたら、ある瞬間に、かすかな感想の光が見えてきました!

もしかして、この曲はプログレを聴く時のアンテナにすれば
何か見えるかもしれない・・・と。
さらに、「クラシック音楽鑑賞事典」で曲のあらすじを確認。

準備万端に整えて、いざ!改めて春の祭典の試聴にチャレンジ!

1、大地の礼賛
曲の流れはこうだ。
序曲→春のきざしと若い男女の踊り→誘拐→春のロンド→二つの村→
敵対する村の遊戯→賢人の行列→大地の礼参→大地の踊り

おーーー!やっと曲が見えてきた!
曲のストーリーを、細かく区切って聴いてゆけば
映像がどんどん湧いてくる!
演奏が、若干控えめな感じなのが幸いして、バレエを踊っているイメージが
俺の頭の中でガンガン膨らんでくるーーーーー!
おー!集っては散り、動いては止まり、激しく華麗に回ってるぜ!
この曲は、何となく聴く曲ではなく
ちゃんと場面を理解して聴く曲だったのだ!
最後の方は、まるでホルスト、惑星組曲の火星をイメージするような
恐ろしく、不気味なものが進軍してくるような迫力だ!

では次に行ってみよう!
2、生け贄の祭
序曲→若者の集会→選ばれた乙女への賛美→祖先の霊→祖先の儀式→神聖な踊り

凄く静かで、神聖な儀式のような演奏がしばらく続く。
すると、突然、大きな火柱がバー!と燃え上がったような演奏!
ティンパニーが、迫っては遠ざかるかのように、凄い重低音の迫力で響く。
そして、変拍子のフレーズがしばらく続き、聴いているうちにトリップしてくる。
あー、脳内麻薬が分泌されるーーー!

すると、突然!息絶えるように終わる。

この曲、スゲー難曲じゃねーか!
その曲を、スムーズに流れるように聴かせる
ブーレーズの譜面読みは、驚愕的に深いのではないか?!

このCDは、曲の聞き所をつかむと、病み付きになるかもしれない恐ろしいCDかも。

まるで、暗い部屋に閉じ込められて、はじめは何も見えないが
だんだん目が暗闇に慣れてくると、周りの物が見え始め
そして、しばらくすると暗いながらもハッキリと見えてくる時のように
このCDは、魅力を少しでも感じてくると、全体の演奏の深さが見えてくるのだ!

いやはや!このCDは、聴き始めてから悪戦苦闘して、感想を書くまでに4日を費やした。
途中でくじけそうになったが、CDの素晴らしさを感じた今
山を一つ制覇したような、壮快な気分と喜びに満ちている。

次回、CD9、カルミニョーラ/ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲集









2011年11月15日火曜日

CD7 ベーム、ウィーンフィル/モーツアルト:レクィエム


ウィーンフィルの本拠地、ムジークフェラインザールでの録音。
沈み行く太陽を、この手の中に抱きかかえたような
物凄く壮大なサウンドだ!

オケ、4人のソリスト、合唱のバランスが非常に良く
各パートの音が、しっかりと聞き取れる素晴らしい録音だ!

目を閉じて、両腕を広げて、天を仰ぎたくなる!

試しに、実際にやってみた。
そしたら、不思議な事に、眉間にシワがより、顔を下に向けて
両腕を胸の前で重ね、何かにすがりたい気持ちになる。

このモーツアルト最後の作品には、有名なエピソードがある。

モーツアルトのもとに無名の使者がたずねてきて
この曲の作曲を依頼し、その使者を、自分の死を告げる使者と思い込み
自分の冥福を祈り、泣きながら作曲したとの事。

モーツアルトはレクイエムの第1曲のみを完全に完成させ
1791年12月5日、悪性チフスのため、感染を防ぐ為に
急いで共同墓地に埋葬されたので、妻、友人がかけつけた時には
どこに埋葬されたかわからなかったそうだ。

未完の部分は、弟子の手で
モーツアルトのスケッチや指示をもとに、補筆完成したとの事。

この、ベーム、ウィーンフィル、ウィーン国立歌劇場合唱団、4人のソリストの
レクイエムは、亡くなった人を送る曲というよりも
モーツアルトの、まだ、俺は死になくないんだ!もっともっと生きたいんだ!という
まるで、握った拳から血が流れ出るような、そんな悲痛な思いを感じる演奏だ。

このCDを聴いて、フランダースの犬の、有名なラストシーンの
天使に送られて天国に行く場面を思い出したり
また、荒波が巌に打ち付けられ、白く大きな波しぶきを上げるような
そんな場面を連想させるような厳しさを感じたりした。

このCDの演奏は、偉大なる音楽家の、偉大なる奏者による、偉大なる名演だ!
クラシック音楽の醍醐味と、サウンドの美しさを
全て備えた、文句無しの名盤である!

次回、ブーレーズ、クリーヴランド管弦楽団/ストラヴィンスキー:ペトルーシュカ、春の祭典












2011年11月13日日曜日

閑話休題〜私の音楽機器


ここで、ちょっと私の現在の音楽機器を紹介します。

音楽鑑賞は、基本的に家で聞きます。でも、外で聞きたい時もあります。
最近まで、パソコンにCDを取り込んでいました。

ソレを自宅ではケンウッドの20年ほど前のオーディオから出力。
外ではiPodにFiooのE5(小さいヘッドホンアンプ)をつないで聞いてました。

が、CDの音をデータを圧縮しないで、なるべく高音質で聞きたい!と思い
最近、コレを買いました。


ポータブルCDプレーヤーです。
ケッ!何だよ、この低音質が!と言う事なかれ!

このCDプレーヤー、パナソニックのポータブルの最終機種で
CDの原音を忠実に出力し、さらにデジタルアンプ内蔵で
高音質かつ、大音量で再生します。
しかも、音飛びが、まったくありません!
カクテルシェイカーを振る程の振動でも、飛びません!!(これには驚いた)

以前のCDプレーヤーは、音飛びを防止するさい
再生した音をプレーヤーに内蔵されているメモリーに記憶させて
内蔵のアナログアンプを経由して再生するので音が劣化したそうですが
このプレーヤーは仕組みが違います。
デジタルアンプにプールした音を、そのままの音質で出力するから
CD本来のデジタルサウンドを音飛び無しで
出力できるそうです。(詳しくは、よくわからん!)
何より!ヤフオクで激安で落札!

これがプレーヤーのフタを開けた写真。
音質を3段階で選べます。
ノーマル、低音ブースト、さらに低音ブースト。

オーディオのスピーカーで聴くときはノーマル。
ヘッドホンで聴く時は、ヘッドホンの種類に合わせて低音をブーストします。

低音ブーストといっても、中高音はそのままの高音質で
低音だけを上品な音質で、ググっと持ち上げます。

プレーヤーのヘッドホン端子から、オーディオーの赤白端子に入力。

パソコンに取り込んだ音と比較して違う点は
音場の広さ、繊細な音まで忠実に再現。
さらに、高音質のまま、外に持ち出せる!

外で音楽を持ち出す時に聴く時間は
せいぜいCD1枚、2枚分くらい。
もっとCDを聞くのであれば、複数枚入るコンパクトなCDケースを買えばいい。

今、現行で発売されているポータブルCDの機種は驚く程少ないのですが
現在は、CDがどんどんデジタルリマスターされていたりするので
また、これから超高音質のポータブルCDを、ぜひ!開発、発売してもらいたい!

パソコンで高音質で音楽を聴くなら,デジタルリマスター済みの音を
ネット経由でデータを購入し、ダイレクトにパソコンに取り込んだ方が高音質で聴ますね。





2011年11月12日土曜日

CD6 バーンスタイン/ウェストサイド・ストーリー


このボックスセットの音楽の幅広さったら
まるで玉手箱のようだ!
まさかウェストサイド・ストーリーが入ってるとは思わなかったなあ。
マーラーで有名な、バーンスタイン作曲のミュージカルの曲を
自ら指揮した音源。

このCDを聴く前に、映画のミュージカルを2回見ました。
良かったですな!
ストーリも面白かったし、ダンスも!そのダンスのフォーメーションも!
カメラの撮影や、アングルなどもスピード感があって素晴らしい映画でした!
また、凄い良かったのは、役者の演技の熱の入り方とリアリティー!
マイケル・ジャクソンは、このミュージカルに
かなりリスペクトされてるな、としみじみ感じました。

肝心のこのCDですが、最初に歌が聞こえたときは
正直なところ、違和感を感じてしまった。
オペラ歌手が、ワザとくずしてうたってる感じが
無利してるなあ、と思ってしまいました。

このCDはハズレか?と思いましたが、いやいや!
「マリア」「バルコニーにて、トウナイト」の歌声の素晴らしさ!
映画の歌もなかなか良かったですが
このCDでは、マーラーの歌曲のよう。

聴き進めてゆくうちに、違和感は感じなくなってきた!

「一つの心」も映画での結婚式の真似事の場面を思い出す。
それが、このCDを聴いていると、その場面がもっともっとロマンティックに思えてくる。

そしてクインテッドの方の「トウナイト」!
4つの旋律で、4つの場面が同時進行している事を表現。
なるほど!

「なんて奇麗なの」では乙女の初々しい恋のトキメキを、可愛らしいサウンドで奏でる。

「クラプキ巡査どの」オケも歌手も、曲を思いっきり楽しんでいるかのよう!
皆、地声で歌いきっちゃってるよ!

「私は愛してる」これは、映画のなかでのアニタの演技が本当に素晴らしい!
マリアの話を聴いているアニタは、マリアのトニーへの愛の深さに
涙を流し納得する場面。憎しみを超えた愛と友情だ!

そして「フィナーレ」トニーが銃で撃たれ死ぬ。
その亡がらを誰にも触らせまいとマリアが抱きかかえる。
結局、暴力からは何も生まれなかった。

すげーぞ!ウェストサイド・ストーリーは!
これは、単なる青春ミュージカルではなく
様々な対立からは何も生まれない、という強い強いメッセージなのだ!!
そして暴力で勝っても負けても、だれ一人として幸福にならず
かえって不幸に落ちてしまうという、教訓なのだ!

バーンスタインは、わざわざこのCDをなぜ録音したのか。
クラシック音楽への窓口として作ったのではないか、とも思うが
さらに、若者への、烈々なメッセージだったのだろうと思う。

ドラッグ、暴力、人種差別、世代間の対立、そんな事で青春を棒に振ってはソンだ!
世の中には、こんなに素晴らしい音楽を作れるように
君も、自分で素晴らしい人生を作ってみないか!と言っているような気がする。

賛否両論のこのCDだが、バーンスタインのこの録音に込められた心を想像すると
何だか胸が熱くなって、泣けてくるのである。

次回、ベーム/モーツアルト:レクイエム


















CD5 ミケランジェリ/ドビュッシー前奏曲集第1巻&映像


厳しくて、怖そうな顔ですねー。
そう、完璧主義者との声が高い、ミケランジェリです。
正直なところ、このCDの感想を書くのが、ちょっと怖いですが
この写真の顔の威圧感にくじけず、ソロソロと書いてみます。

はじめに、すみません!と言っておきます。
ワケが解りませんでした。

試聴1回目。
クラシック音楽って旋律が明確なジャンルと思っていましたが
これが噂にきく無調音楽なのかな?と思いました。
しかし、曲想を聞いていると、強烈に何かを表現している
という事だけは感じましたので、ドビュッシーの事を調べました。
そしたらナットクしました。

このCDの作品は、色々な風景や事象を音で表現した作品集なのかと感じました。

そこで、試聴2回目。
私の中の音楽チャンネルを、思い切ってクラシックからジャズへ切り替えてみたら
音が見えてきました!
キース・ジャレットの「フェイシング・ユー」を聞いた時の感覚にちょっと近いかな。

今ここで起きている、ここに有る、目の前の事象が、音になっている感じがしました!
なんだか、即興的にミケランジェリが音を作り出しているかのような錯覚を覚えました!
真っ白なキャンバスに、まるで絵の具で、絵を一筆、一筆、書き込んでゆくような
そんな感じのする演奏です。

聞くのが面白くなってきた!
さらに試聴3回目!!
高度なテクニックが、技術から芸術に昇華されていて
しかも!まったく押し付けがましい演奏ではない。

おー!何だか色々感じてきたー!

繊細な音の響きだなー。
なんか、赤ちゃんをだっこする時のような
繊細なタッチも素晴らしい。

このCD、美術館で名画をじっくり鑑賞した時のような
心の密度が濃くなったような感じがしました!
そして、こちらから歩み寄らないと音楽を感じられない曲想だな、と思いました。

まるで、おはよう!といっても、全く反応しない人のよう。
そして、もう一回おはよう!というと、ちょっと立ち止まるけど
また歩き出してしまい、さらにもう一度、相手の片をつかんで、おはよう!!
と言って、初めて「ああっ、君か・・」という醒めた返事。
でも、話すと魅力的な人だった時のような感じ。

このCD,聞き始めは忍耐が必要だが、ハマるとやめられなくなりそうな
幻惑的な魅力に満ちあふれてきます。

次回、CD6、バーンスタイン/ウェスト・サイド・ストーリー
えっ!この曲はクラシックなのか?!果たしてどのような内容か楽しみである。















2011年11月11日金曜日

CD4 バレンボイム&パリ管/ラヴェル作品集


バレンボイムの細部まで感情の行き渡った指揮と
上品で余裕がある紳士の、体温と脈を感じるような
パリ管のサウンドの、まさに!
映画を見ているかのような、視覚的なイメージを沸き立たせるラヴェル曲集。

特に!ボレロ、亡き王女のためのパヴァーヌ、ラ・ヴァルスは名演だ!!
ダニクロも表情豊かな演奏。
イコール、このCDは名盤だ!!

★まずボレロ。
同じメロディーを何回も繰り返して、アンサンブルの変化のみで徐々に盛り上げてゆく
その発想と作曲能力とアレンジ力は、熟慮を重ねに重ねた結果だと感じた。
バレンボイムの指揮も、一歩一歩、しっかりと歩くように、決して焦らない。
しかし、にエンディングの爆発的な盛り上がりに向けて、手綱をがっちり握り
前へ、前へと、曲を確実に進めている。
まるで、東京スカイツリーに行くため、はじめは遠く小さく見える目的地に
しっかりした足並みで歩いてゆくかの様。
だんだん、スカイツリーがでかく見えるのに興奮を覚える。
そして、ついにスカイツリーの真下に到着して、あのデカさに驚愕する時のような
そんなスケールのデカい演奏だ!まいった!

★亡き王女のためのパヴァーヌ。
美しい・・・あまりにも美しすぎる・・・。
ラヴェルが若い王女の肖像画を見て曲を発想した、との事だが
その曲想の素晴らしさは、人間の想像力の、無限の可能性さえ感じるほどだ。

・・・・あっ、曲に聞き入ってしまい筆が止まってしまった。

この曲を聞いて、こんなイメージをした。
友達以上、恋人未満の若い男女が横浜に昼から車で遊びに行く。
食事して、買い物して、映画みて、そして夜になってもうすぐ帰りの時間。
彼女はまだ若いから、お父さんに決められた門限があるのだ。
だから、もっとずっと一緒にいたいのに、今日はもうすぐお別れ。
横浜の夜景がキラキラと宝石のように見える一番美しい場所に
しばし車を止めて今日の楽しかった事を思い出し、語り、そして
まるで世界が最後の日のように、今日の別れを惜しみ
ゆっくりと車のアクセルを踏み込み、夢の一日は終わる。

はあ・・・この曲が永遠に終わらなければいいのに・・・
ため息が出る程の美しさに、10回以上、リピートして聞いてしまった。

★ラ・ヴァルス
フランス語でワルツの意味。
この1曲で映画を見ているような気分になる。
楽譜にこう記されているとの事。
「渦巻く雲の絶え間からワルツを踊る数組の男女がちらちらと見える。
雲が次第に消え去ると、旋回する人々で満たされた大きなホールが現れる。
場面は次第に明るくなる。シャンデリアがいっせいにともる。1855年ごろの宮殿」

まさにその記述を連想させる曲想だが、私なりにその後半をこう記したい。
「その宮殿での舞踏会も最高潮に盛り上がってきた時に、外が、ただならぬ不安な
気配を感じる。でも、気にしないでワルツを踊ろう。しかし敵国の軍隊は確実に
この宮殿に迫りつつある。そして!ついに宮殿への攻撃が始まる。町は戦火に巻き込まれる。」暗澹たる思いで曲を聞き終わった。
曲のはじめは楽しく聞いていたが、だんだん不安な雰囲気になり、最後は破壊的に終わる。
小泉元首相の「ぶっ壊す!」発言を思い出した。

★気分を変えて、バレー組曲・ダフニスとクロエ、第2組曲。
3部構成の組曲。連続して演奏する。

1、夜明け
夜明け前の濃い紫の空に、鳥のさえずりが聞こえ、密度が濃く、冷たく、限りなく透明な大気。
徐々に日が昇ってくる。両手を大きく広げて、朝日を全身で受け止めるかのような演奏。

2、無言劇(パントマイム)
フルートが素晴らしい!
2人の男女を、木陰から色々な動物が見てて、2人にちょっかい出してるかの様。
ディズニー映画のサントラみたいに、なにかしらの情景を思い浮かべてしまう曲想。

3、全員の踊り
大人数が大火を囲み、野性的な踊りを繰り広げているかの様。
ディズニーのファンタジアを連想する。

このCDは、各曲ごとに、映画を見ている気分になるような
音で情景描写をしたかのような曲集でした!

次回、CD5、ミケランジェリ/ドビッシュー前奏曲集第1巻&映像
音楽なのに映像って。演奏している映像でもオマケでついてるのか?!













CD3 アルゲリッチ/ショパン:前奏曲&葬送ソナタ

ショパンをキチンと聞くのは、今回が初めてです。

アルゲリッチは、クラシックの聞き始めの時に、何も解らずに
ベートーベンのピアノ協奏曲のCDを聞いた事があります。

ショパンと言えば、イメージ的に繊細な感じがしていましたが
このCDの演奏は、たくましいショパン!といった感じがしました。
まるで、紙に黒マジックで点を連続で書いて、線にするかのように
全ての指のタッチが鮮明な、テクニック的にも素晴らしい演奏。
サウンドも上々。

まずは24の前奏曲と2曲の前奏曲。
色々な風景画を鑑賞しているようなバラエティーにとんだ曲想で
曲によっては、イングヴェイを思わせるような、アルゲリッチの高速プレイに
「何だこれ!すげーなあ」と新鮮な驚きを感じました。
まるで、いきなりボールを投げられて、ビックリした時のような気持ち。

本当に音楽って、心の「いい薬です!」by太田胃散。

12音平均律の、長調、短調の全24の全ての調を使って作曲したこの前奏曲。
曲を書く人も、弾く人も、どちらもチャレンジャー魂を感じました。

参考までに、24の前奏曲にコルトーが付けたといわれる
各曲のタイトル的なものを記載します。(クラシック音楽鑑賞辞典より)

1、恋しき人を待ちこがれて
2、悲しい瞑想、はるかに見える寂しい海
3、小川の歌
4、墓場のほとり
5、歌声にみてる木
6、ホームシック
7、記憶の中を芳しき香りのごとく楽しき思い出はただよう
8、雪ははげしくふり、風はうなり、嵐はたける。わが心の中は、なおはげしい嵐あり
9、ポーランドの最後
10、降り来る火煎
11、若き乙女の願い
12、夜の騎行
13、故郷を遠く離れて、星月夜を仰ぎ、はるかなる恋人を思う
14、嵐の海

(書いてて、ちょっと疲れてきた・・・)

15、愛児をゆすって眠らせる母の心、母も夢の世界にある。夢は恐ろしい夢だった。わが児の運命は絞首台で終わると告げられる。あまりの驚きに叫んだ自分の声で夢は醒めた。醒めた母の心はまだ脈うっている。

※ジョルジュ・サンドの評
僧院の屋根の上に落ちる雨だれの音を思わせる

16、奈落の底への道
17、彼女は私を愛してると言った
18、呪詛
19、恋人よ、我にもし翼あらば、とく君が許に天かけり行かんものを
20、葬送行進曲
21、誓った思いでの処に独り寂しく帰ってゆく
22、反抗
23、水の女神たわむれ
24、若い血、逸楽、死

(はあ!はあ!一気に書いたので息切れしそうだ!)

そして葬送ソナタ。
3楽章の葬送行進曲。いやー、引き込まれるプレイですねえ!
この曲のフレーズは、インベーダーゲームで撃たれた時にしか聞いた事がありませんでした。
その、有名なフレーズの後に出てくる、長調の囁くようなフレーズの繰り返しの、素晴らしさ!
故人との美しき思いでを、しみじみ、しみじみと回想するかのような。
まるで、小さい筆で、肌の産毛をこするか、こすらないか位の
アルゲリッチのピアノのタッチの繊細さは
知らぬ間に、曲想に包み込まれてしまします。

そして4楽章の怒濤のエンディング!
遊園地のコーヒーカップに乗って、全速力で回転させて、目が回ってフラフラになって
やっとの思いで、おりた時のような感覚でした。

このCDは、ショパンの随筆集のような、色とりどりな演奏でした!

次回、バレンボイム&パリ管/ラヴェル作品集です。

ちなみに私は、ほとんどのクラシック曲を、初めて聞くので
毎回、作曲家、演奏家の新作を初めて聞くようなワクワク感で一杯でーす!
バーチャル的に、当時の人の気分を楽しんでまーす!



2011年11月10日木曜日

CD2 アマデウス四重奏団/ベートーベン弦楽四重奏7番、14番

二枚目にして早速登場しました!ベートーベン弦楽四重奏!
第7番(またの名をラズモフスキー1番)と、第14番!
ベートーベンの16作品ある弦楽四重奏のなかの名曲が、さっそくCD2で登場!
ボックスセットだからといって、出し惜しみしないグラモフォンの本気度をヒシヒシと感じますねえ。

まず、サウンドが非常に素晴らしい・・・。
残響音を抑えたサウンドで、まさに室内の、今、ここで、演奏している、かのようです。
まるで、ピントがビシっと決まった風景写真のように、四人の音がはっきりと聞こえ、楽器のボディーの響きまで伝わってきます。が、アナログ録音の暖かみがあり、若干、空気に触れた白ワインのように、まろやかなサウンド。

ベートーベンの弦楽四重奏の16作は、この7番から曲想のオリジナリティーが、ぐっと増す感じがします。

まず、7番!
1楽章、青年が太陽に向かって走っているような颯爽とした躍動感。
2楽章、四人が同じフレーズでハモっている時の一体感!音の厚みがハンパない!
3楽章、悲哀が背中から徐々に体を包み込むような楽想。
4楽章、人生の困難にも体当たりでブツかってゆくような感じ。
もう、交響曲を聞いてるようなアンサンブル!

当時のウィーンの人は「狂人のつぎはぎ細工」と嘲笑したとの言い伝えがあるが、当時としては斬新すぎる曲だったのだろう。
ベートーベンの弦楽四重奏の1〜6番までは、なんとなく古典的というか、いかにもお上品な弦楽四重奏だなあ、と感じて、皆が言うように素晴らしいとは思えなかったが、7番から、ちょっと待てよ!曲想がここから違ってきたぞ、という期待感を感じた。

そして14番!七楽章まである。
1楽章、薄明かりの暖炉の前で、人生を振り返っているかのよう。
2楽章、青春!野原で恋人と遊ぶような、ほのぼのとした幸福感を感じる。
3楽章、古典的な雰囲気。
4楽章、二人だけでワルツを踊るような、気品を感じる曲想。
5楽章、軽快なリズムで、四人の絶妙なコンビネーション!トムとジェリーが追いかけっこしているような曲想。
6楽章、超短い!約2分!人生で色々と悲しい出来事もあったが・・・とポツリと一言の後の・・・
7楽章、大海原を進む船の様。雨、風、嵐、そして太陽があるように、どんな困難にも雄々しく進んでゆこう!と言っているような曲想。思わす拳をにぎり、手を振ってリズムをとりたくなる!ベートーベンが「お前ら!がんばれ!がんばれ!」と言っているような感じ。

14番は、あの人類の音楽遺産ともいえる「第九」から3年後に作曲。
死の8ヶ月前の作品だそうです。
そう思って聞くと、聞く人それぞれ、自分の人生と照らし合わせて、色々な感想や、思い入れがあるのでしょうね。

CDを聞き終わって、小説を読み終えた時のような充実感を感じました。
ベートーベンは、ドラマ性が強い曲が多いなあ、と改めて思いました。

CDの最後の最後で、音がプツン、プツンと切れ切れになったのが、ちょっと残念。
しかし、それに勝る演奏内容でした!!!!!

次回、CD3、アルゲリッチ/ショパン:前奏曲&葬送ソナタ
色んな意味で驚きを期待!

CD1 アバド&ウィーンフィル/ハンガリー舞曲集

期待のボックスセットの記念すべきCD1はこれです。

グラモフォンが「さあ!これからクラシックの怒濤の競演がはじまるぞ!始まり始まり!」と言わんばかりのブラームス、ハンガリー舞曲集です。
ボックスセットのスタートには打ってつけのオープニングナンバーです。
このボックスセットを入手した喜びとともに、リズミカルな舞曲が鳴り響きます。

ワクワクするような、ハンガリー舞曲全21曲ですが、さすが!ウィーンフィルというサウンド。
まるで、パウダーを腕につけた後の、ツルツルのお肌の質感のような、きめの細かいオケのサウンド。

そして、アバドのメリハリの効いた指揮は、各曲ビートが効いてて、そして時にしなやかに、時に激しく、キメの部分のアタックと切れ味の鋭さは聞いててスカっとします。
まるで、喉が乾ききった時にコーラを一気飲みした時のような爽快感だ!

前半の楽曲は、民衆が輪になってまい踊るような雰囲気ですが、楽曲が進むにつれて、宮殿で開かれる社交界のパーティーのような上品な曲想になってゆく感じがしました。

特に、14番以降の曲は、交響曲のなかの楽章の1曲のように、アレンジの完成度が高くなるように感じました。

ハンガリー舞曲は、もともとピアノ連弾の為の4巻からなる全21曲。
その後、ピアノやバイオリンの独奏曲にアレンジされ、さらに色々な人がオーケストラ用のアレンジを作ったとの話です。
それだけ、この曲集が今まで色々な人に愛されてきたんだなー、と思いました。

今回、オケの全集を聞きましたが、色々なアレンジも聞いてみたいです!

次回は、CD2、アマデウス四重奏団/ベートーベン第7番&14番です。
期待、大きいです!

2011年11月9日水曜日

音楽感想家による、グラモフォン111・赤箱の個人的な感想

私の名は「きょせん」。

最近買った、大きな黒ブチの眼鏡をかけている私の顔を妻が見て
冷やかしで名付けられたニックネームだ。

私は、駆け出しの「音楽・感想家」である。
評論家ではない。
なので、何かを比べて、良い、悪いを言う事なない。

そして、私は、アマチュアのミュージシャンでもある。
作詞、作曲をし、コンテストやオーディションにチャレンジしている。
さらに、ボーカル、コーラス、ギター、ベース、ドラム、マラカス、カホンを演奏できる。


さて、「音楽・感想家」とは何か?

私が勝手に定義づけた、その肩書きの内容とは
目の前にある、その音楽について
なるべく先入観や、他人の意見に左右されずに
自分の、心に、素直に、感想を語るのである。

絶対に「語る」のである!

これが案外難しい!
まったく興味がもてない曲、嫌いなアーティスト、理解できない音楽などもある。
しかし!こちらから、その音楽に歩み寄って
必ず、何か良い所を発掘し、感想を絶対に書くのである!
それが「音楽・感想家」なのだ!


ここに、一つのCDのボックスセットが、ある。
ドイツ・グラモフォン社の111周年記念で発売されたボックスセット。
通称、赤箱と言われているボックスセットである。
このCDボックスセットには、55枚のCDが納められている。

このボックスセットのCDを、一枚目から聴き始めたのだが
これが、大変に音質が良い!
さらに紙ジャケでレコードのようなのだ!

このボックスセットに選ばれた55枚のアルバムが
ネットのレビューで、物凄く好評だったので、意を決して入手したのだ!
(現在、プレミアがつき、高額なのだが、たまたまネットオークションで
数千円で出品されているのを発見し、めでたく購入できた!妻には怒られた!)


クラシックに興味を持ってから
ガイド本で紹介されているCDを色々と聞こうとしたが
なんせ、金銭的な余裕がなくて・・・
考えたあげく、ベートーベンの作品のみを聴こうと思い、現在まできた。
しかし!このボックスセットのおかげで、念願かなって
ベートーベン以外の作品を聴くきっかけが訪れたのだ!

このボックスセットの内容を、HMVのホームページで
CD一枚づつの簡単な説明がある。
非常に参考になるので必見だ。

それを参考に聴きはじめたが
熱烈に、もっと作曲家と曲の事を知りたい!と思い
神保環一郎著「クラシック音楽鑑賞辞典」なる本も入手。

この本、文庫本サイズで、なんと1003ページ!
コンパクトだが、国語辞典なみの厚さ!
持っているだけで、クラシック通になったような錯覚を覚える。

記載内容は若干古いのだが
作曲家、作品を簡潔に解説してあり
クラシック初心者の私にとっては、大変にありがたーい本である。
まるで、クラシック鑑賞のアドバイザーが、いつも隣にいるよう心強さだ!
ボックスセット55作品を聴くのに、凄く役立ち、必需品だ。
まず、この本を開かない日は無い!
おすすめの一冊である!

このブログでは
グラモフォン111周年記念ボックスセット・赤箱を
一枚目のCDから順番に、作品を聞いた感想を書いてゆきたいと思う。

ただ聴くだけでも、かなりのボリュームだが
感想を書くのは、さらに大変な事になるだろう。

まるで、崖を素手で、一歩、一歩、登るように
一枚、一枚、心して聴いてゆきたいと思う。

そして、このブログを読む読者が
あたかも、自分もCDを聴いたような気になってしまうような
体感的な感想を書いてゆきたい。

このブログを書く事により
音楽の素晴らしさを共有し
言葉でもって、人生で初めてクラシック作品を聴いた時の感動を
読者の方々と追体験をしてゆきたい。

次回は、グラモフォン111赤箱のCD1、アバド&ウィーンフィル/ハンガリー舞曲集